2020年05月14日
新型コロナショック‼ 始まった航空会社の経営破綻、オペレーティングリースへの影響は⁉ ③
アビアンカ航空
2020年5月11日、アビアンカホールディングスがニューヨーク連邦破産裁判所に連邦破産法第11条を申請したことが報道されました。
アビアンカ航空は、コロンビアのナショナルフラッグキャリアと言える航空会社で、スターアライアンスに加盟しています。コロンビアを拠点に中南米各国を結んでおり、域内のシェアは2位。
新型コロナの影響で売上高が激減したことが響いたうえに、コロンビアやアルゼンチンの通貨が下落し、為替差損による特別損失が発生したことも大きかったようです。
アビアンカホールディングスは、コロンビア政府に支援を求めましたが、合意できなかったそうです。
アビアンカの従業員は、中南米全体で2万1,000人以上で、このうちコロンビア本国は1万4,000人以上。雇用を維持する一方、機材の発注などにより債務を再構築すると報道されています。
複数のリース会社が、アビアンカ航空向けのオペレーティングリース案件を組成しています。アビアンカ航空の再建計画に、オペレーティングリースの投資家も影響を受けることになりそうです。
コロンビア共和国は、面積は日本の3倍、人口は4,983万人、一人当たりGDPは6,684US$、実質GDP成長率2.66%、物価上昇率3.18%、失業率9.7%(いずれも2018年の数字)。
途上国によく見られるような数字で、突出して悪いという印象は受けません。
アビアンカ航空も決して経営状況が悪いわけではありませんでした。
コロンビアの主要産業の一つは、農業です。コーヒー、バナナ、さとうきび、じゃがいも、米、熱帯果実などが主力のようです。
2020年5月13日の日経新聞でコーヒー豆やサトウキビの収穫期を迎える南米でサプライチェーンリスクが浮上しているという記事が掲載されていました。記事によれば、ブラジルやコロンビアなど中南米のコーヒー豆の生産シェアは世界の56%。
今年度の中南米のコーヒー豆は豊作のようですが、収穫時期を迎えた今、都市封鎖により労働者が産地に到着できない恐れがあるそうです。豆を摘むことから、豆の選定や乾燥、袋詰めには人の手が必要です。収穫が遅れることで豆の品質低下が懸念されているそうです。
物流の影響も懸念されています。輸出作業をする人やコンテナが足りないそうです。そもそも道路が封鎖されていて港まで輸送できないそうです。
航空機オペレーティングリースは、賃借人である航空会社の与信が重要かと思っていましたが、新型コロナ危機のような不測の事態が生じると、カントリーリスクにもダイレクトにさらされるということがよくわかりました。
その国の通貨が弱かったり産業構造が弱いと、そのリスクは容赦なく投資家を襲います。
みどり財産コンサルタンツではオペレーティングリースのお悩み・ご相談も無料で承っております。「まずは情報収集がしたい」「投資状況を第三者目線で分析して欲しい」等、お気軽にお電話・メールでご連絡ください。
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新型コロナショック‼ 始まった航空会社の経営破綻、オペレーティングリースへの影響は⁉ ①
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