2009年08月16日
民主党のマニュフェスト法人税率引き下げ案 高度活用法
民主党は衆院選のマニフェスト(政権公約)で「中小企業の法人税率を18%から11%に引き下げ」と明記している。法人税率引き下げは、日本経済のマクロの視点からは、中小企業の海外移転を防ぎ、かつ外資の対日投資促進で、経済が活性化するという良い面を有している。
ミクロ経済の視点からも、黒字企業の自己資本が充実し、設備投資余力が生まれ、生産性が向上するという効果も生まれよう。
ただ、日本の法人税制は、原則として一度払った法人税は、過去1年分を除いて戻らないという、倒産促進税制(筆者の造語)になっている。また、法人税を多く払えば払うほど、基本的には自社株の相続税評価額が高くなるため、法人税と相続税の2重課税という難問も生じる。優良企業であっても自社株が未上場の場合は換金性がないという、納税資金問題も抱えている。
これらの問題を一挙に解決する方法がある。高収益が上がっている時に大きく設備投資をし、定率法を使った減価償却費により現在の高率の法人税を繰り延べる。設備投資が本格稼働すると一般的には更に高収益になる。そのときは、法人税率が低下しているので、減税のメリットを受けるのである。
また、設備投資した時に、法人の利益が落ちているので、自社株の相続税評価額も一般に下がる。このとき、自社株を後継者に生前贈与等するのである。
ミクロ的には法人税と相続税のダブル減税効果を享受できます。
問題は、高収益が上がってはいるが、設備投資をすべきではないと判断される時に、どうするかである。
設備投資する時期でない場合は、とりあえず、「各種の利益繰延策」を活用して、利益を繰り延べておき、その利益を活用して将来設備投資をするのである。
昭和58年にキンザイFP1級に中四国で初めて合格してから、利益繰り延べによる企業防衛を数百社に実施した。法人税率の低下と留保金課税の縮小により、顧客に大変喜ばれ、お客間様の顧客紹介が相次ぎ、有難いことに弊社は多忙を極めるようになった。
今後更に法人税率が下がると顧客は更に大きなメリットを受けられる。弊社㈱船井財産コンサルタンツ高松は行列のできるFP事務所になるかも?
利益繰延コンサルタント 税理士 竹本 正憲