2020年06月26日
新型コロナショック‼ 変わる?変わらない?不動産マーケット 2020年3月~6月 ③インバウンド狙いの都市部店舗が厳しい ④店舗ビルが厳しい ⑤東京都心のオフィスは底堅い動き
2020年3月~6月の不動産マーケット状況。
あくまで私見です。
③インバウンド狙いの都市部店舗が厳しい
インバウンド狙いの都市部店舗が厳しい状況です。具体的にはドラッグストアです。都市部のドラッグストアは、かなり早い段階から賃下げ交渉に入りました。2月の段階で撤退を決めた店舗もあります。新型コロナの収束が長引けば、賃料下げ要因となり、期待利回りは上がり、収益還元で求められる物件の価値は下がります。
都市部のドラッグストアが抜けた後に、同レベルの賃料で入居するテナントを見つけるのは難しいでしょう。テナントが入れ替わると、やはり賃料が下がることになると思われます。
反対に、郊外型ドラッグストアは好調です。コンビニのニーズも取り込んでいます。
④店舗ビルが厳しい
飲食ビルは、すべてのテナントから賃料減額要請が出ていることも珍しくありません。美容室は退去するテナントも出てきました。店舗からオフィスなどに用途変更をする物件もあります。用途変更しても賃料が下がるので、物件価値が下がります。
1階路面店舗は、そのテナントの業態から見て明らかに不相応な賃料だったケースもありました。
⑤東京都心のオフィスは底堅い動き
賃料問題やテナント退去の報道を見ていると、不動産価格は下がるのではないかと思うのですが、東京都心のオフィスビルはそうでもないようです。
テレワークが広がり、なかにはオフィスをなくす会社もあり、そのようなトピック的なことが報道されやすいので、オフィスの床は余るのではないかとも思ってしまいますが、実際にはそうではありません。少なくとも今のところは。
予定されていたオフィスビルの売買取引は、コロナ禍でもその多くがそのまま進められました。4月、5月、そして6月も東京都心オフィス物件の売買は活発です。コロナ対応の金融緩和の影響で、投資家の手元資金は潤沢です。ファンドの買い意欲も旺盛です。実需の買いニーズも衰えていません。
退去するテナントもありますが、リーシングは順調ですぐに次のテナントが決まります。
一部のテナントに一定期間の賃料減額を実施している場合はありますが、今のところ長く続く想定ではありません。賃料減額は一定期間のみですので、テナントは賃料負担できなければ退去しなければなりません。テナントが退去しても、先述の通りリーシングは順調です。
【まとめ】
新型コロナの影響は長引くことが予測されます。
テレワークが浸透し、いままでとは違った不動産のニーズが発生します。郊外で街全体の価値が上がるようなエリアが出るかもしれませんが、限定的で、少し時間がかかると思われます。
地方が見直されますが、地方の大部分のエリアでは人口減少の負の影響が不動産価値に顕著に出ることが想定されます。
不動産の選別が進み、カネ余りもあり、多くの人が良いと思う不動産の価値は下がらない、相対的に上がっていくという可能性があります。これは、オフィスに限らずレジデンスについてもです。テレワークを経て、より都心に住みたいというニーズが強くなった人も多いはずです。
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