2020年11月16日
事業承継 / M&Aは企業価値向上に必要な通過点になる③ 中小の資金繰りに新たなハードル
負債額1,000万円未満の倒産件数が過去最高ペースで推移していることが、今後の負債額1,000万円以上の企業の動向を暗示しているとも考えれらえていますが、2020年11月11日の日経新聞では、中小企業の資金繰りに新たなハードルが見えてきたことが紹介されています。
夏場にかけて急増した金融機関の自己資金による融資は1年未満の短期が中心で、冬に向けて満期になる例が多いとのこと。
記事によれば、中小企業の借入金は、2020年3月末から6月末までの間で、長期借入金が3兆8千億円増加し、短期借入金は6兆3千億円増加したそうです。激増した短期借入金は冬場にかけて満期を迎えますが、金融機関は長期への振り替えはせず、短期の借り換えが主対応となるようです。
新型コロナ対策の無利子融資を受けて資金繰りをつないだ中小企業も、返済据え置き期間が終わる数年後には借入金の返済が必要になります。民間金融機関からの短期借入金の残高が膨らんでいると二重の重い返済負担にになります。
消滅した需要によって得られるはずだったキャッシュインフローを借入金でカバーしています。将来の返済時には、より大きな売上を作っていかなければ返済できません。
これまでの惰性で経営している会社では、より大きなキャッシュフローを作っていくことはできません。今までとは違うサービスや商材を生み出す必要があります。あるいはやり方に工夫を加えて、生産性を向上させる必要があります。
そう考えると、事業承継は、企業価値を向上させるために必要な通過点になることに気が付きます。
事業承継は企業価値向上に必要な通過点になる④ 新しい視点が必要
事業承継は企業価値向上に必要な通過点になる① コロナで必要性が高まる変化対応力