2023年02月28日
ふるさと納税返礼品に課税?
皆様こんにちは。
確定申告、順調に進んでいらっしゃいますでしょうか。
今日は、私の、ふるさと納税を使った節税の失敗事例をご紹介させていただきます。
ふるさと納税を実施すると、お礼品が送られてきて、その負担は実質的には2,000円ということなので、高額所得者にとっては大変魅力的です。高額所得者になればなるほど、寄付して損しない金額が大きくなるため、富裕層優遇だとも言われています(富裕層はたくさん納税しているのだからそんなこと言ってはいけないと個人的には思います)。
今日のコラムのポイントは、この返礼品には税金がかかる場合がある!という点です。
高額所得者にはご注意頂きたいと思いますし、高額所得者でなくても、以下にご紹介させていただく私の失敗事例のようなケースはあり得ますので、ご注意ください。
まず、お礼品は課税所得になりえます。
お礼品の価値(受け取った収入)については、寄付金額×30%として計算します。
また、それは所得税申告の中で11種類ある所得区分のうち、「一時所得」に該当します。
つまり、100万円を寄付した場合、一時所得の収入が30万円となります。
しかし、一時所得は、50万円までは非課税です。よって、この例の場合は非課税です。
逆算すると、寄付金額が166万円(50万円÷30%)までであれば、受け取ったお礼品は課税対象にならないということになります。
寄付して損しない金額が166万円になるには、どの程度の収入が目安になるかにというと、家族構成、所得控除は人によって異なるので一概には言えませんが、年収4,000万円以上くらいになってきます。
かなり大きい金額ですので、ほとんどの方は、お礼品は課税対象になりません。
しかし、ここからが私の失敗事例になります。
一時所得に、他の収入がある場合、上記しました50万円の非課税枠を既に使っているということになり、166万円(50万円÷30%)の計算が成り立たなくなります。
私の場合は、生命保険の解約返戻金による一時所得がありました。
昔、米$建の一時払い終身保険に加入していましたが、昨年の超円安局面で、為替差益を実現するために保険を解約し、利益が出ていました。
それにより、そもそも50万円の非課税枠を消化しているにも関わらず、それをすっかり失念し、ふるさと納税を実施してしまいました・・・。
他の一時所得、お忘れなきようご注意ください。
※他の一時所得の例:生損保の満期保険金、懸賞、競馬の払戻金・・・
では、課税所得1,800万円超で所得税率が40%(住民税と合わせて50%)の方が、ふるさと納税の返礼品に課税を受けると、どの程度の税負担になるかを検証してみましょう。
他の一時所得が50万円、寄付金額100万円の場合とします。
既に一時所得の非課税枠50万円を消化しています。
よって、寄付金額100万円の30%である30万円が一時所得の収入になります。
30万円のうち、一時所得は1/2課税ですので、15万円が課税所得となります。
15万円に対し、所得税住民税で50%の税負担なので、税負担は7.5万円となります。
7.5万円と、2,000円で合計7.7万円の負担、それに対し、30万円程度の価値のお礼品を受け取っていますから、損するわけではありません。
しかし、2,000円で30万円分のお礼品を受け取ったつもりが、実は7.7万円で30万円分のお礼品を受け取っていたということになれば、ショックは少なくないのではないでしょうか・・・。
ご参考になれば幸いです。今後ともどうぞ宜しくお願い申し上げます。
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