2023年11月29日
来年1月1日から施行!改正相続時精算課税に注目!!
ちょっと前は、11月なのに、記録的な暖かさでしたが、ここ数日、めっきり冷え込んできましたね。
12月は、令和6年度の税制改正大綱が公表されますが、その前に、令和5年度税制改正で改正された相続時精算課税が、来年、令和6年1月1日から施行になるので、
あらためて確認しましょう!
相続時精算課税は、60歳以上の父母または祖父母から、18歳以上の子や孫に対して財産を贈与した場合に選択できる制度です。
この制度を利用すると、累積2,500万円までの財産の贈与に贈与税が課税されません。ただし、贈与者に相続が発生した際、相続財産に持ち戻して相続税を課税することになっています。
令和5年度税制改正で、基礎控除額110万円が創設されました。令和6年1月1日以後に贈与により取得した財産については、毎年、贈与額から基礎控除額110万円が控除され、累計2500万円までは、贈与税は、かからないとともに、注目してほしいのは、この1年につき110万円の基礎控除は、累計2500万円までは、相続時に相続財産に加算しなくてよい点です。
(また、この制度で、贈与を受けた土地または建物が災害により一定の被害を受けた場合には、財産の評価額は贈与時の時価で評価することとされていましたが、令和6年1月1日以後に贈与を受けた場合は、相続発生時に評価額を再計算することが可能となります。)
一方、暦年課税では、1年間に贈与により取得した財産の価額の合計額から基礎控除額110万円を控除した残額に、一般税率又は特例税率の累進税率を適用して、贈与税額を算出します。
現行で、暦年課税を利用した場合、被相続人の相続開始前3年以内に行った贈与財産は、相続財産に加算した上で相続税の課税対象となります。
令和5年度税制改正により、相続財産への加算期間が7年以内に延長され、贈与を受けた財産が相続税の課税対象となる期間が拡大されました(延長された4年間の贈与のうち総額100万円までは相続財産に加算されません)。ただし、7年以内加算への完全移行は、令和13年1月1日以降の贈与からとなります。
暦年課税における相続財産の加算期間の延長もあり、来年1月1日からの贈与では、110万円の基礎控除を利用した相続時精算課税活用事例が増加することが見込まれます。
(なお、相続時精算課税を選択した場合、その後、同じ贈与者からの贈与について暦年課税へ変更することはできません。)
【相続時精算課税の改正】
【暦年課税の改正】