2024年01月23日
ドラえもん「未来なんてちょっとしたはずみでどんどん変わるから」
Contents
- 1 「いよいよだね。」「いよいよね。」(ドラえもん18巻「タンポポ空を?」)
- 2 「道をえらぶということは、かならずしも歩きやすい安全な道をえらぶってことじゃないんだぞ」(ドラえもん42巻「右か左か人生コース」)
- 3 「運命なんてこのナワのように・・・いいこと悪いことがからみあっているんだ。」(ドラえもん44巻「サイホ―馬」)
- 4 「いや、それは違うよ、のび太くん。それこそ、星のようにある可能性から、きみがきっかけをつかんだんだよ。あたらしいきみの未来。きみのひとを思いやる気持ちが、未来をかえようとしているんだ。」(映画「STAND BY ME ドラえもん」)
- 5 「どんな時代でも、みんなそれぞれせいいっぱい生きてきたんだよ。」(ドラえもん30巻「昔はよかった」)
2024年は、辛いニュースで幕開けしました。
能登半島地震で被害を会われた方々には、衷心よりお悔やみとお見舞いを申し上げます。
復興が一日も早く進み、不自由がない生活に戻られることを祈るばかりです。
「いよいよだね。」「いよいよね。」(ドラえもん18巻「タンポポ空を?」)
新年早々、とても興味深いニュースに目が留まりました。
1月4日の日経新聞電子版には、『地球外生命に迫る人類 有望天体の探査、米国中心に始動』とのニュースが報じられました。
地球外生命に迫る新たなプロジェクトが米国を中心に動き出す、といった内容です。
太陽系の内外で生命が存在しそうな天体が多数見つかっているそうです。
同時に、未確認飛行物体「UFO」の実態を解明するプロジェクトも始まったとのことです。
昨年、アメリカ政府の情報機関、国家偵察局(NRO)の元関係者から、宇宙船と見られる物体から「パイロットの遺体」なども発見されているとの内部告発がありました。(2023年7月5日日経新聞電子版)
いよいよ、国家機関を交えて、地球外生命体の研究が進められることになります。
「道をえらぶということは、かならずしも歩きやすい安全な道をえらぶってことじゃないんだぞ」(ドラえもん42巻「右か左か人生コース」)
まるで、SF(サイエンス・フィクション)みたいな試みは、小説・映画などの中ではお馴染みの世界でした。
地球外生命を取り扱った映画と言えば、宇宙人とのコンタクトを描いた『未知との遭遇』(1977年)をはじめ、SFホラー『エイリアン』(1979年)、真理の追求を描いた『コンタクト』(1997年)など数えきれないぐらいあります。
また、SFの定番と言えば、タイムトラベルものも人気です。
古くは『タイム・マシン 八十万年後の世界へ 』(1960年作品)、SFコメディ『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985年作品)、科学的な考証が織り込まれた『インターステラー』(2014年作品)、また、SF恋愛映画『アバウト・タイム~愛しい時間について~』(2013年)などもあります。とてもバラエティに富んでいて、どの作品もそれぞれの味わいがあります。
さて、SF的な要素を満載した日本を代表する作品といえば、老若男女を問わず長きにわたり人気の『ドラえもん』を忘れるわけにはいきません。
四次元ポケットから、タケコプターをはじめいろいろな未来のひみつ道具が飛び出します。
そのひとつ、タイムマシンは、作品の中でも頻繁に登場します。時間移動・空間移動を可能にし、太古の世界にワープして恐竜に出会ったり、現代から未来にタイムトラベルしたり、UFOや宇宙人が登場したり、バラエティに富んだ面白さがあります。
ドラえもんは、2112年9月3日、22世紀の科学が生んだネコ型ロボットです。子守り用ロボットとして大量製造する工程で、不良品として誕生したとの秘話も興味深いところです。
のび太の玄孫、孫の孫であるセワシが、どこか頼りないのび太をよくするために未来から現在にドラえもんを派遣したことから、ドラえもんとのび太の冒険譚が始まります。
「運命なんてこのナワのように・・・いいこと悪いことがからみあっているんだ。」(ドラえもん44巻「サイホ―馬」)
ドラえもんの作者 藤子・F・富士夫は、2023年12月1日、生誕90周年を迎えました。
『オバケのQ太郎』をはじめ、『パーマン』『キテレツ大百科』など、大人から子どもまで馴染みのある作品ばかりです。
たくさんの作品の中、『ドラえもん』は、1969年の雑誌掲載以来、今も、マンガ・アニメ・映画と人気の衰えをしりません。
ドラえもんは、人間と同じものを食べてエネルギーに変換します。眠って夢を見たり、高い精神性を持ち合わせています。AI(人工知能)は、メンタルヘルスの判定で精神科医との比較でより高い判定精度を示したとの研究結果がありますが、ドラえもんには、のび太への深い思いやり温かさがあります。
ドラえもん以外にも、のび太・しずか・ジャイアン・スネ夫・出木杉くんにジャイ子、のび太のママなど、個性的な登場人物が多く、それぞれにファンがいることと思います。
藤子・F・富士夫は、「体温を感じさせるような人物を創っていきたい。」との思いで、人間を描くことにこだわりをもって追求しつづけたそうです。
そして、作品の中には、心に響く言葉が溢れていて、多くの読者を惹きつけています。
ところで、22世紀には、台風を上陸前に消すことができるようです(ドラえもん41巻「野比家は三十階」)。また、人工的に地震を作れるなまず型ロボットが登場します(ドラえもん26巻「地震なまず」)。果たして、22世紀の科学技術は、人類の生命を自然災害の被害から守ることができるのでしょうか?
「いや、それは違うよ、のび太くん。それこそ、星のようにある可能性から、きみがきっかけをつかんだんだよ。あたらしいきみの未来。きみのひとを思いやる気持ちが、未来をかえようとしているんだ。」(映画「STAND BY ME ドラえもん」)
『ドラえもん』の作品の中に語られる言葉に勇気づけられる方も多く、その言葉は、いくつかの「名言集」としてまとめられています。
数々の言葉の中で、特に読者の支持が高いのは、ドラえもんでものび太でもなく、しずかちゃんのパパの言葉でした。
映画『STAND BY ME ドラえもん』(2014年、日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞受賞)でご覧になられた方も多いと存じますが、最後にご紹介したいと思います。
将来、本当にしずかちゃんと結婚できるか不安になったのび太は、タイムマシンでのび太の結婚式の日に向かったところ、間違って前日についてしまいました。ドラえもんとのび太は、しずかちゃんの家に向かうと、思わぬ場面に出くわします。
両親と離れることの寂しさ、結婚への不安を感じているしずかちゃんに、パパは語りかけます。
「最初の贈り物は君が生まれてきてくれたことだ・・・それからの毎日、楽しかった日、満ち足りた日々の思いでこそ、君からの最高の贈り物だよ・・・」
「のび太くんを選んだきみの判断は正しかったと思うよ。あの青年は人のしあわせを願い、人の不幸を悲しむことのできる人だ。それがいちばん人間にとってだいじなことなんだ。かれなら、まちがいなくきみをしあわせにしてくれると、ぼくは信じているよ。」(ドラえもん25巻「のび太の結婚前夜」)
「どんな時代でも、みんなそれぞれせいいっぱい生きてきたんだよ。」(ドラえもん30巻「昔はよかった」)
歴史は、未来に続きます。「未来なんてちょっとしたはずみでどんどん変わるから」(ドラえもん12巻「あいあいパラソル」)。2024年、どのような一年になりますでしょうか?
地震で被害に会われた方々に、どれだけ「言葉」が力を持つか分かりません。あまりに、現実が巨大で複雑で困難であり、同時に、過去から未来にわたる大切な時間を奪われてしまったかもしれません。
皆さまがたにあっては、こころの安寧を保たれ、しあわせとありがたみを感じられる一年でありますことを願っております。
今年も、事業を営む経営者の皆さま、そのご家族、そして従業員の皆さまのため、様々な課題に真摯に誠実に向き合っていく所存です。
本年もどうぞよろしくお願いします。