2014年12月25日
太陽光発電の環境変化について
おはようございます。
今年も残るとこあとわずかです。最後まで気を抜かずに仕事していきたいと思います。
さて、節税対策としてずいぶん多くの企業様においても導入されたであろう太陽光投資ですが、ここのところ大きく環境が変わることが明らかになってきました。今日はそれについて簡単にまとめてみたいと思います。
①調達価格の決定時期
平成27.4.1以降は電力会社との接続契約締結日をもって調達価格を決定することになります。
平成27.3.31までに設備認定を受け、電力会社に接続契約を申し込んだ場合には、接続契約の締結がH27.4.1以降にずれこんだとしても、申込時の調達価格で売電することが可能です。
とりあえず、一安心です。
当社のお客様でも、申込みは済んでおりますが接続契約ができていないお客様が多数いらっしゃいますので、この点は本当に安心しました。
また、今後32円の調達価格を獲得するための設備認定申請書類の提出期限は平成27.1.30ですので、残り1ヶ月ということになります。
②接続回答保留解除について
まず、九州電力で9.25から四国電力で10.1から接続回答が保留されていました。
しかし、2社とも回答保留が解除されました。(四国電力は12.2申込分まで)
これは、経済産業省の新エネ小委員で検証を行った結果、12.18に接続可能量が確定したことを受けての流れです。
<四国電力>
接続可能量:219万KW
接続済み&接続申込済の合計:219万KW(12.2時点)
<九州電力>
接続可能量:817万KW
接続済み&連系承諾済みの合計:815万KW
接続済み&連系承諾済み&接続契約申込みの合計:1,322万KW(11.30時点)
九州電力では既に接続可能量を上回っていることから、年間30日を超えた出力制御に同意いただけることを前提に回答を開始するそうです。
また、平成27.1中旬目途に事業継続意思確認が行われることも注目です。
③出力制御(買取り拒否)について
現行FITでは、500kW以上の発電所について年間30日間まで無償での出力制御が可能でした。
平成27.1中旬の公布施行以降は、500kW未満まで対象を拡大し、年間360時間までの出力抑制を可能とする内容に変更される見込みです。
九州電力・四国電力共に指定電気事業者に指定される予定であり、既に売電を開始している案件・既に連系承諾を受けた案件については現行FITが適用されるようですが、連系承諾がまだの案件については新制度による出力制御となります。
ちなみに、九州電力の資料によると、接続可能量817万kWに対し100万KW接続量を上回ると、最大120日も出力制御がかかる試算があります。
300万kW上回ると(接続申込ベースでは505万KW上回っています。笑)最大150日の出力制御という試算です。
また、経済産業省の資料によると、接続済み案件が、上記接続可能量に達した際に予想される出力制御日数は、2013年電力需要ベースで四国電力19日(365日に対し5.2%)、九州電力16日(同4.4%)です。
抑制がなかった場合の予想発電量に対し、四国電力で4.5%・九州電力で4.2%となっております。
抑制日数と実際の抑制電力量の割合に大きなかい離がないことに驚きました。
不勉強なまま記載しますが、もし120日や150日というような抑制日数となれば、30%前後も出力制御されてしまうことも覚悟せねばならないのかと思います。
九州電力ではかなり現実的にそのリスクをとらえる必要があると考えます。
以上ですが、これからも連系承諾を既に得ている案件が投資商品として発売される可能性は高いと思いますが、発売される案件がどのような状況なのかをよりいっそう確認することが必要と思います。
三谷達也