2018年10月17日
驚きの地面師詐欺事件!
こんにちは(^O^)/本日2018年10月17日の日経新聞に「後継難中小 外資に紹介」という記事が掲載されています。
経産省が中小のM&A情報を集めたデータベースを外資系企業に開放するのだそうです。
中小企業基盤整備機構が全国に置く「事業引継ぎ支援センター」のデータベースを使うそうです。事業引継ぎ支援センターには約2万4千件の中小企業売却案件や買い手企業の情報があるそうです。
このうち「匿名での公開」了承を得て金融機関などに限って公開している約3千件について、ジェトロを通じて外資にも提供するのだとか。
ついにこういう時代に突入しました。
根本的な問題は人口減少にあるのですが、中小企業の存続も外国資本に頼らなければならないという現実。大きな危機感を覚えます
ジェトロが仲介することで日本の中小の技術がむやみに海外に流出するリスクを防ぐとのことですが、大丈夫でしょうか。
同じく本日の日経新聞に「地面師詐欺 8容疑者逮捕」という記事です。
昨年、積水ハウスが地面師詐欺にあい、55億円をだまし取られたという驚きの事件がありました。昨年の8月に積水ハウスが特別損失を公表した時にはひっくり返りそうになりました。その容疑者8人が逮捕されたそうです。
事件の中身は記事でご確認いただくとして、積水ハウスが取引を急ぎ、様々な「警告」を見過ごして土地取得に突き進んでいたという実態は興味深いものがあります。
所有者になりすました女は土地の権利証のカラーコピーを見せるだけで原本は示さなかったとのこと。また、打ち合わせの際に自分の住所や誕生日を間違えたそうです。
契約後の5月上旬には、土地所有者本人を名乗る人物から「売買契約はしていない」「別人との取引で無効」との複数の内容証明郵便が届いたそうですが、積水ハウスは「怪文書」とみなして対応しなかったそうです。
購入代金の残額約49億円を支払った6月1日、積水ハウスのスタッフが物件内に入ろうとしたところ、本来の土地所有者から相談を受けた警察署員から任意同行を求められたそうですが、それでも積水ハウスは「取引を妨害しようとしている人の仕業」と判断していたというのですから本当に驚きです。
結局、6月9日に法務局から登記申請を却下する通知が届いた段階で、積水ハウスはようやく詐欺にあったと気づいたとのこと。
積水ハウス関係者は「何段階も不注意を重ねており、通常の不動産取引ではあり得ない」と批判しているそうです。
さらにこの記事、デジタル版を読んでみると面白い内容が追加されています。
デジタル版記事によれば、積水ハウスとほぼ同時期、横浜市の不動産会社も同じ土地の取引を持ちかけられていたのだそうです。
横浜の不動産会社側は疑念を抱き、所有者になりすました女性から示されたパスポートのコピーを持って土地周辺を聞き込み、地主ではないことを突き止めたため、契約はしなかったとのこと。
やはりダイレクトに情報に触れ、確認をしなければなりませんね。
日本の不動産取引は、欧米に比べるとかなり不明朗な感じがします。
詐欺事件も起きやすい取引環境だと思います。本当は、エスクローや公証人が間に入るなどの取引慣行ができればよいのですが、なかなかそういう動きにもなりません。
そんななかで、不動産ビジネスは情報戦でもあります。
不動産業者は、オフマーケットの優良な情報をいかに早くキャッチし、いかに速く取引を進めていけるかという勝負でしのぎを削っています。
積水ハウスというプロ中のプロであっても、またとない情報に飛びついたということでしょうか。
個人的にはこういう事件が起き始めると、マーケットも天井が近いかなと思ったりします。
私の予感が的中せずに、賃料が上昇し、さらに不動産マーケットが上昇することを期待しています。
不動産取引に限らず様々な取引において、その取引の実態、対象物の実在性、取引や投資のリスクをきちんと確認、理解したうえで取引を進めていきたいものですね。