2009年03月23日
会社を強くしましょう! ~定款を見直しましょう~
こんにちは(^O^)/皆様お久しぶりです。
中小企業の事業承継はますますニーズが高まっています。
ありがたいことに、弊社は超多忙な毎日を送っています。
弊社では平成17年から事業承継コンサルティングを本格的に展開していますが、ここにきてお客様のニーズが変化してきています。
弊社がスタートした平成16年から平成20年半ばくらいまでは、節税がお客様の主たるご希望でした。
つまり、株価の評価を下げて、より低い税コストで自社株式を次世代へ移転していくというご希望でした。
ところが、平成20年半ばから景気の先行きに不透明感が増し、あるいはリーマンショックで景気下降が加速してからは、お客様のニーズが激変してきています。
つまり、より本質的な財務内容の強化や、内部的な経営環境の整備といったことにお客様の興味が変移してきています。
僕たちは財務税務の分野でお客様のお手伝いをしていますが、その内容が「節税」から「経営」にシフトしてきているのです。
そんなお客様のニーズにお応えするため、僕たちがどのようなお手伝いをしているか、時々ご紹介させてもらいたいと思っています。
今回は「定款の見直し」です。
僕たちから定款の見直しをご提案することも多いのですが、今年に入ってからは、お客様側から定款の見直しをご希望されるケースが増えています。
平成18年5月に会社法が施行されてからは、定款自治が強化されています。ところが、多くの会社が定款の見直しを行っていません。
賢明な経営者の方々は、時代に合った、自社の現状に合った、そして自社の将来のリスクをヘッジするような定款内容に見直しをしなければならないと考えていたようです。
そのタイミングが、生き残りをかける「今」なのでしょう。
多くの場合、次のような内容が定款見直しの対象となります。
①株券の不発行
会社法施行前には、株券発行が原則でした。
会社法施行後には、株券不発行が原則、株券発行が例外となっています。
多くの中小零細企業が、実際には株券を印刷していません。現況に合わせて定款を見直すと良いでしょう。
②株式の譲渡承認機関
多くの中小零細企業が、株式の譲渡制限会社になっています。
ほとんどの会社が、譲渡承認機関として取締役会を指定しています。
譲渡承認機関を現況に合わせて見直してみると良いでしょう。
③相続人等に対する株式の買取請求
相続等の自然承継により株式が承継される場合、以前は、これを止める手段がありませんでした。
結果的に会社にとって好ましくない株主が誕生する恐れもありました。
譲渡制限株式に限り、定款に定めることにより、会社が強制買い取りできるようになりました。
④単元株式の導入
単元株式を導入することにより、少数株主の議決権行使を気にする必要がなくなります。
⑤属人的株式の導入
株式に特別な権利を付与する、あるいは権利を制限するということでは、種類株式の導入が一般的です。
この種類株式は登記せねばなりませんが、非公開会社の場合には、定款で定めるだけで株主の権利に差を付けることが可能です。
属人的株式はその一例で、ある条件に合致する人が保有する株式については議決権が10倍になるなどいった規定を定めることができます。事業承継の対策の選択肢となり得ます。
⑥会社法下で廃止されている規定がまだある
例えば、株主名簿の閉鎖期間が定款で定められている会社があります。古い会社には多い規定です。
この株主名簿の閉鎖期間は、今はもう制度としては存在しません。
定款で明記されている場合には、削除したほうが良いでしょう。
定款規定は、上記で挙げた意外にもその法人の実態にあわせて変更したほうが良い点が細々とあります。
皆さんの会社は、定款で定めた手続きによって株式の移転等を実施していますか?
というか、皆さんの会社の定款、読んでみたことありますか?
「少しずつ改訂してきているから、うちは大丈夫」
意外とこんな会社の定款が、中身を見てみると矛盾だらけだったりします。
その時々の改訂を行う時に、全体を見直さずに必要な部分だけの改訂をしてきた結果残っている矛盾です。
上場相場が悪く、自社の利益の圧縮もしやすい現在の状況が、自社株式の移転にとって有利にはたらくということは何度もお伝えしましたが、株式の移転のときに一緒に定款も見直してみてはいかがでしょうか。
様々な要因が複雑に絡み合い、まったく前進しないと思われていた事業承継上の悩みもあっさりと解決することがあります。