2022年05月17日
ドローン等のレンタル節税の規制が開始されています!!
令和4年度税制改正により、法人(及び個人事業者)が、本年4月1日以後から、「貸付け」用に少額な減価償却資産(たとえば、ドローン、建設用足場、LED照明等)
を取得等した場合は、下記の3つの制度での税法上の損金(経費)が認められなくなっております!!
これは、少額のドローン等の購入を利用した節税、いわゆるドローン節税に対処したものです。
このドローン節税とは、本業とは関係のない単品10万円未満のドローンや建設用足場を大量購入して、貸付けを行うことによる節税です。
具体的には、例えば、会社で、単品9万円のドローンを1000台、9000万円で購入し、その時点で9000万円の損金を計上します。一方、それを5年間、毎年1500万円で他の複数の
会社へ貸付け、5年が終了した時点で、1500万円で売却すると、最初に、損金が先行し、後から課税所得が生じることとなりますので、従来は、課税の繰り延べが可能となっていました。
【各年の損益】
1年目 2年目 3年目 4年目 5年目
ドローン賃借料収入 1500万円 1500万円 1500万円 1500万円 1500万円
ドローン売却益 1500万円
ドローン消耗品費 ▲9000万円
課税所得 ▲7500万円 1500万円 1500万円 1500万円 3000万円
これを規制したものです。以下の制度の適用ができなくなりました。
制度 |
取得価額 |
償却方法 |
限度額 |
①中小企業等の少額減価資産の取得価額の損金算入特例(令和6年3月31日まで2年間延長) |
30万円未満 |
全額損金算入 |
年300万円 |
②一括償却資産の損金算入制度 |
20万円未満 |
3年均等償却 |
- |
③少額の減価償却資産の取得価額の損金算入制度 |
10万円未満 |
全額損金算入 |
- |
ただし、この改正された税制の「貸付け」の範囲には、「主要な事業として行われる貸付け」は、除かれています。
例えば、節税、租税回避を目的としたものでない、継続的な経営資源(事業用の設備(貸付け用の資産以外)、事業に関する事業者の有する技能又は知識等)を活用して行い、
又は行うことが見込まれる通常の貸付け事業は、「主要な事業として行われる貸付け」に該当することとなりますので、上記の制度は、適用できることとなります。
*なお、資産の貸付け後に譲渡人等がその資産を買い取り、又はその資産を第三者に買い取らせることをあっせんする旨の契約が締結されている場合で、
その賃借料と買取価額の合計額が取得価額のおおむね90%超の場合における場合における貸付けは、「主要な事業として行われる貸付け」に該当しないこととなります!
内田昇