コラム Column

2020年02月28日

生命保険の見直しについて

ご承知のとおり昨年から法人保険を取り巻く税務の環境が大きく変わりました。

これまで中小企業の利益繰延対策によく使われていた保険は、支払保険料の全額(半額)が損金計上でき、且つ、将来解約時に高い返戻率で資金が戻ってくるような商品でした。更に、大きな金額の死亡保障も「おまけ」的についていたという優れものでした。

本来、死亡保障は、社長の万一に備えて検討すべきなのですが、上記のとおり「おまけ」的に巨額の保障がついていたので、あえて考える必要性も見失われていました。

しかし、利益繰延対策として取り組んでいる生命保険には、多くの場合、返戻率のピークが到来します。

返戻率のピークがくると通常は解約を行い、それにより社長の死亡保障も無くなります。

これまでは、解約をしても、また同じような商品に加入して事足りていましたが、今後はそうはいきません。

自社の保険のポートフォリオを確認し、終身あるいはそれに匹敵する超長期の死亡保障があるかを見直す必要があると考えます。

社長に万一があった場合の事業保障は勿論のこと、優良企業であればあるほど、自社株の評価が高額になっています。

後継者は自社株という、通常は現金化が困難な高額資産を相続し、相続税を納税しなければなりません。

例えば、法人に大きな死亡保険金が入ってくれば、後継者は相続した自社株を会社に買ってもらい(金庫株)、納税資金を手当てすることができます。支払保険料よりも死亡保険金が増加するような保険契約であれば、会社としても損が出るわけではなく、保険会社に納税資金を賄ってもらえると考えることができます。

個人で相続税納税資金の準備を行うことも重要ですが、資金負担能力の高い法人で大きな死亡保障を準備することも検討すべきではないかと考えます。

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