2021年10月18日
中小オーナー企業のM&Aに関する課題点・問題点と「抑えておくべきポイント」
Contents
経営者が高齢化し後継者問題が増えるとともに、中小企業の M & A の件数は増加しています。
さらに不採算事業の分離や、買収によるスピーディーな事業拡大のための手法としてもM&Aが注目されています。
事業の分離や買収、事業継承の手段としてM & A を行う際に、どのように進めたら良いのか、M&Aの手法や成功のためのポイントなどを解説します。
中小企業のM&Aとは?
中小企業とは
中小企業の定義は業種分類、資本金、従業員数によって異なります。
中小企業基本法による分類は以下のとおりです。
業種分類 |
中小企業基本法の定義 |
製造業その他 |
資本金の額又は出資の総額が3億円以下の会社又は 常時使用する従業員の数が300人以下の会社及び個人 |
卸売業 |
資本金の額又は出資の総額が1億円以下の会社又は 常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人 |
小売業 |
資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は 常時使用する従業員の数が50人以下の会社及び個人 |
サービス業 |
資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は 常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人 |
この定義は基本的な政策対象の範囲を定めた「原則」であり、法律や制度によって「中小企業」として扱われている範囲が異なることがあります。
(中小企業:中小企業・小規模企業者の定義より https://www.chusho.meti.go.jp/soshiki/teigi.html)
M&Aとは
M&Aとは、英語の「Mergers and Acquisitions(合併と買収)」の略称です。
複数の企業がお互いの利益のために行う、以下のことを指します。
・株式譲渡や事業譲渡を含む手法での事業の引継ぎ(譲り渡し・譲り受け)
・会社法の定める組織再編(合併や会社分割)
中小企業でのM&Aは、多くの場合後継者がいないために第三者へ事業承継する目的で行われます。
M&Aの主な手法
株式譲渡
売り手企業側の株主が保有している発行済株を買い手企業に譲渡する手法 。
買い手企業は株の対価として現金を支払います。
売り手・買い手企業双方にメリットが多く、中小企業の M & A で多く用いられている手法です。
株式譲渡の種類
・相対取引
買い手企業が直接株式を買い取る方法で、売り手企業が非上場の場合はこの方法をとる。
・市場買付
株式市場から売り手企業の上場している株式を直接買い取る方法。
・株式公開買付(TOB)
買い手企業が買付の期間や株数、価格を公表し株式市場の外で株式を買い集める方法。
株式譲渡のメリット
売り手企業にとってのメリットは、M&A後も企業が存続し独立性が保たれることです。株式譲渡によって経営権は買い手企業に移りますが、ビジネスはそのまま運営が可能で従業員の雇用も守れます。
またM&Aによって事業を素早く現金化できることもメリットです。
そしてこれまでのノウハウ、販路を買い手企業のものと合わせることでシナジー効果を得ることもできます。
買い手企業にとってのメリットは組織に大きな変更を必要としないことです。加えて取引先や従業員と再契約する必要がないため、手続きが比較的シンプルであるというメリットがあります。シンプルである故、他の手法に比べて手続き完了まで時間がかかりません。
株式譲渡のデメリット
100%株式譲渡の場合、簿外債務などもそのまま引き継ぐという問題があります。
事業譲渡
売り手企業が有する事業の全部又は一部を譲渡する方法。
株式譲渡とともに中小企業のM&Aではよく用いられます。
複数の部門を持つ企業が、集中したい事業や切り離したい事業があるケースなどでもこの手法が用いられます。
事業譲渡のメリット
売り手企業のメリットは、会社の経営権を残せるということです。比較的自由度の高い事業取引が可能です。
また、買い手と合意できていれば、残したい資産や従業員などを選ぶことができます。
買い手企業にとっても引き受ける資産などを選べるというメリットがあります。
さらに引き受ける範囲を決めることで、簿外債務を引き受けるリスクを避けられることもメリットです。
事業譲渡のデメリット
資産と負債を個別に移転させるため株式譲渡と比べ手続きが煩雑になり、 時間と手間がかかります。
会社分割
会社法が定める組織再編の手法のひとつで、事業の権利義務の全部又は一部を分割して包括的に買い手企業へ承継させる方法。
会社分割の種類
・吸収分割
事業の権利義務の一部又は全部を切り離し、他の会社に承継させる方法。
・新設分割
吸収分割と同様に、一つの会社の事業の権利義務の一部又は全部を切り離しますが、新設分割では承継させる会社が新しく設立された会社となります。
会社分割のメリット
売り手企業のメリットは、一部の事業のみ分離できることと債権者との個別の取引が不要であることです。手続きが短期間で終了します。
一部の事業のみ切り離すので、事業の選択と集中ができます。残った事業にイメージダウンの影響が出にくい手法です。
買い手企業のメリットは、買収資金が不要ということです。
分割の対価を株式とした場合、資金が十分でなくてもM&Aを行えます。
会社分割のデメリット
分割により事業が包括的に継承されるので、簿外債務などのリスクがあった場合も受け入れることになるため買い手企業にとってデメリットとなる。
株式交換・株式移転
株式交換は売り手企業の株式を買い手企業の株式と交換する方法です。
売り手企業が完全子会社化され、買い手企業は完全親会社となります。
株式移転は新たに会社を設立し、その会社の株式と売り手企業の株式を交換し完全子会社とする方法です。
株式交換・株式移転のメリット
売り手企業のメリットは、買い手企業の株を取得することによる利益が期待できるところです。M&Aのシナジー効果で事業が成長すれば株価の上昇が見込めます。
買い手企業のメリットは株式交換の対価を自社株とすれば資金の準備が必要ないということです。
株式交換・株式移転のデメリット
M&Aによるシナジー効果で株の価値が上がることも期待できますが、新株を発行して対価とした場合は1株あたりの価値が低下し、株価が下落するリスクもあります。
中小企業M&Aの目的
売り手企業の目的
1.後継者問題の解決のため
日本全体において、令和7年(2025年)までに、平均引退年齢である70歳を超え
る中小企業・小規模事業者(以下「中小企業」という。)の経営者は約245万人、うち
約半数の約127万人が後継者未定と見込まれている。
(中小企業庁「中小M&Aガイドライン」より)
多くの中小企業において経営者の高齢化が進みつつあります。
現在後継者が決まっていない企業では、将来のために以下のような対応策を考えなければいけません。
①後継者を決めて、育てる
②M&Aを行う
後継者が決まっていない場合、その育成を短期間で行うのは困難です。廃業の選択肢を選ぶ場合は従業員の行く先のついて考えなくてはなりません。
廃業の影響は従業員が職を失ってしまうだけでなく、得意先が取引相手を失い、日本経済の停滞を招いてしまうことから、できれば避けるべきです。
後継者が決まっておらず、どうしたらよいか考えている中小企業にとって、M&Aは有効な選択肢のひとつとなるでしょう。
③廃業の準備をする
2.事業継続への不安解消のため
規模の小さい企業では現在黒字経営であっても、市場の環境の変化や景気の動向によって将来、経営が大きく左右される可能性が将来あります。
事業継続の不安を解消する方法としてもM&Aは有効です。
3.M & A により経営者が資金を確保するため
M & A により高齢により引退する経営者の生活資金を確保するケースもあります。
経営者が保有する株式を譲渡することで資金が得られるため、老後資金にあてる場合も。
また売却した資金により新しい事業を始める経営者もいます。
4.不採算事業を売却し利益率の高い事業に集中するため
採算がとれない、又は利益が少ない事業を売却し、強みのある事業に集中することで 経営を強化することができます。
今後は少子高齢化により働き手の減少、日本全体の市場規模の縮小が予想されています。
ある事業で人が不足している状態が続けば、問題集中すべき採算事業に支障をきたしかねません。
採算のとれる事業に集中して、より強い企業にするためにM & A が行われます。
2.買い手側の目的
1.新規事業へ参入するため
新たな分野の事業を買収するM&Aは、新事業への展開を短時間で可能にする効果的な手法です。
新規事業を自社で一から立ち上げる場合、時間とコストがかかります。
時間とコストをかけても事業が成功しなかった際のリスクなどを考慮すると、M&Aを行った方がメリットがある場合もあります。
M & A を行うことにより事業のノウハウや販路、人材なども手に入れることができます。
2.既存事業の規模拡大のため
M & A による相乗効果により既存事業の弱みを補うことができます。
またM&Aにより既存事業の規模を拡大することもできます。
事業のエリアを拡大させる場合、きちんと準備をして採算がとれる状態にするのは簡単なことではありません。
その地域特有の事情やマーケット調査などに膨大な費用と時間がかかるのが普通です。
あらかじめその地域に基盤を持つ企業をM&Aで買収できれば、スピーディーにエリア拡大を行えます。
中小企業M&Aの現状と傾向
中小企業M&Aは次のような要因を背景に増加傾向にあります。
1.廃業件数の増加
企業の休廃業・解散件数は2010年に26,316件だったが2020年には49,698件と10年で23,000件以上増加。
一方経営者の平均年齢は2010年に59.9歳だったものが2019年には62.2歳まで伸びており、経営者の高齢化とともに休廃業・解散件数が伸びていることがわかります。
また2020年に休廃業した企業のうち当期損益が黒字であったのは60%以上となっている。これらのことから事業承継がスムーズに行かなかった結果、休廃業に至った企業が多かったということがわかります。
データは(株式会社東京商工リサーチ『2020「休廃業・解散企業」動向調査』『全国社長の年齢調査(2019年12月31日時点)』)より抜粋
2.事業承継による企業発展
事業継承後、5年程度に実施した取り組みは「新たな販路の開拓44.9%」や「新商品・新サービスの開発28.8%」など多くの新経営者が企業の成長・発展のための取り組みを行っています。
データは(株式会社東京商工リサーチ「中小企業の財務・経営及び事業継承に関するアンケート)より。
3.M&Aに対するイメージ変化
M&Aの件数の増加に伴い、そのイメージはこの10年で変化しています。
10年前に比べ買収すること、売却すること両方に対するイメージがプラスになった(抵抗感が薄れた)という回答が、イメージがマイナスになったと答えた人より大幅に増加しました。
(株式会社東京商工リサーチ「中小企業の財務・経営及び事業継承に関するアンケート)による
中小企業M&Aの手続きと流れ
手続きを始める前に、M&Aの意思決定を行います。しかし中小企業に限らずM&Aを経験したことがある、意思決定できるという人材がいるケースは少なく、スムーズに決定するのは困難です。
多くの場合には意思決定の前の段階で専門家に相談することになります。「M&Aを行うべきか」といった疑問から、「M&Aを行う際の戦略」「M&Aを行うメリット」など、専門家と相談しながら意思決定を行います。
1.事業評価、買い手の選定
事業評価
売り手企業が提出した資料をもとに、M&Aを仲介する専門業者が面談、調査を行います。
次に事業価値を評価し、譲渡額を決定します。
譲渡額について多くのケースで用いる手法が「簿価純資産法」「時価資産法」「類似会社比較法」です。
評価額に数年分の利益を加算するのが一般的ですが、最終的な評価額は売り手、買い手双方の合意した額となります。
買い手の選定
買い手を選定するために、まず「ノンネームシート」を作成します。
ノンネームシートは売り手企業の情報を記入しますが、社名は特定できないようになっているものです。
買い手候補となる複数の企業にノンネームシートを提示しM&Aの打診を行います。
興味を示した買い手候補には、「秘密保持契約」を結んで売り手企業の詳細を示しその後の交渉を行います。
2.トップ面談、条件交渉
買い手企業の選定が終わると、トップ同士の面談の機会が設けられます。
この面談は、財務諸表などではわからない、お互いの企業文化や経営者の人間性を確認する機会です。
売り手企業のトップは、自社の希望や条件を伝えるとともに、買い手企業のM&A後のビジョンや従業員の処遇などを確認します。
トップ面談にのぞむ前に、譲れない条件や優先順位を決めておくとよいでしょう。
3.基本合意
条件交渉で概ね合意に至ると、「基本合意書」を作成します。
基本合意書には、以下の内容を記します。
- スキーム(M&Aの手法)
- 譲渡価格
- デューデリジェンス
- 秘密保持義務
- スケジュール概要
4.買収監査(デューデリジェンス)
買収監査とは買い手企業が売り手企業の財務内容等について行う調査のことです。
M&Aを行うかどうかを買い手企業が最終的に判断するための調査です。
調査により譲渡価格の金額の妥当性の確認や、リスクの確認も行われます。
調査内容は決められていないので、買い手企業がM&Aの専門家に相談して決定します。
5.最終契約
基本合意と買収監査を経て、問題点があれば再交渉を行います。
M&Aの専門家に監修してもらい、必要事項が整っているか確認を受けた後に調印を行います。
6.クロージング
クロージングでは譲渡対価の支払いが行われ、同時に「株券、会社代表印の引き渡し」なども行われます。
クロージング前後に各種手続きが必要な場合があり、各専門仕業や金融機関などと連携しながら準備を進めます。
例えば事業譲渡の手法で承継財産に不動産が含まれるときは、登記手続きについて司法書士等に協力を依頼。
また借入金や不動産への担保設定がある場合は、金融機関との間で事前に担保解除の手続きが必要です。
7.クロージング後
M&Aはクロージングですべて終了ではありません。
ポスト・マネージャー・イングレーション(PMI)と呼ばれる事業統合に伴う作業が行われます。
買い手企業がM&A後にスムーズに事業を進めるために、売り手企業にも対応が求められます。
・M&Aクロージングを関係者に報告する
・業務フローの引継ぎ・業務管理体制の構築等
M&Aの仲介業者によって、クロージング後の支援体制は異なります。
みどり財産コンサルタンツでは、クロージング後を新たな出発点ととらえ、財務・税務面など長期に渡ってご支援を行います。
売り手フォロー
・財務、税務面のコンサルティング
・資産保全コンサルティング
・資産運用コンサルティング
・相続対策
・ファミリービジネスの事業承継
買い手フォロー
・将来ビジョンのコンサルティング
・財務、税務面のコンサルティング
・効果検証
・ポスト・マネージャー・イングレーション(PMI)
・事業承継対策
中小企業のM&Aで活用できる税制
中小企業がM&Aを行うと、経営資源が集約されます。経営資源集約により生産性向上を目指す中小企業が活用できる税制が3つあります。(2021年10月現在)
1.設備投資減税(中小企業経営強化税制)
M&Aに伴い新しい設備を取得した場合、即時償却又は10%の税額控除(資本金3000万超の中小企業は7%)が可能となる制度です。
経営力強化を目的とした中小企業経営強化税制に、M&Aを対象としたD型が新設されました。
適用条件は以下のとおり
・経営能力向上計画の作成
・計画期間、有形固定資産回転率などの設備投資要件を事前確認機関(税理士等)が確認すること。
2.雇用確保を促す税制(所得拡大促進税制)
・青色申告を提出している中小企業者等が、雇用者給与等支給額(企業全体の給与)が前年比で1.5%以上増加させた場合に、その増加額の15%分を法人税額や所得税額から控除できる制度です。
・また前年度比2.5%以上の給与等支給総額の増加に加え、経営力向上計画の認定を受け、経営力向上が確実に行われたこと等の要件を満たした場合は、前年度からの増加額分について、25%の税額控除を受けることができます。
(中小企業庁「中小企業の経営資源の集約化に資する税制概要・手引き」より)
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kyoka/shigenshuyaku_zeisei/tebiki.pdf
3.準備金の積立(中小企業事業再編投資損失準備金)
M & A 実施後に発生しうるリスク(簿外債務など)に備えるための積立を行った際に、積立額を損金算入できる制度です 。
要件等
①買い手側が、事業承継等事前調査(※)に関する事項が記載された経営力向上計画の認定を主務大臣に受ける。
(※法務、財務、税務等の観点から、引き継ぐ経営資源に損害が生ずる恐れがないか調査を行うこと)
②対象は株式取得によるM&Aのみ。(取得金額10億円以下に限る)
③株式等の取得新金額 として計上する金額(取得価額、手数料等)の70%以下の金額を準備金として積み立てた場合、その事業年度内において損金算入できる 。
④5年間の据置期間後、5年かけて均等に取り崩しを行う。(据置期間内に簿外債務等が発覚した場合は取り崩す)
中小企業M&Aが成功するためのポイント・注意点
M & A は企業の価値を高めるための選択肢のひとつです。 M & A を行うことで会社が成長し続けることが理想となります。そのために大切なポイントは以下の5つです。
売り手企業
1.専門家に相談する
M&Aを成功させるためのポイントとしてまずあげられるのが「専門家に相談する」ということです。
M & A には専門的な知識が必要で税金面などの手続きに知っておいた方が良いこと早いことが多くあります。
規模が小さい会社だからと個人同士で交渉を行うと時間がかり、結局失敗してしまうこともあります。
よほど大規模な企業でない限り社内に M & A の経験者や専門家がいるというケースは稀でしょう。
今後の従業員の雇用など気になる点がある場合は専門家にアドバイスをもらいながら交渉をした方が良いのです 。
2.株主の確認と議決権確保
中小企業の株主は株主名簿がない場合株券が発行されていない相続により行方がわからなくなっているなどのケースがあります。
M & A で株式譲渡の手法を選択した場合、買い手企業が株式の対価を支払うこととなるため株主を確認しておくことが大切になります。
株式の確認や再発行の手続きは時間がかかることが予想されるためはじめに取り組んでおくべき注意点です。
3.売り手側の関係者を確認する
M & A を検討する際は売り手企業側の関係者を確認し、真摯に対応や説明を行うことが必要です。
中小企業では関係者は親族や知人など近い関係の人が多く M & A により大きな影響を与えるからです 。
関係者として株主・従業員・取引先・親族・金融機関 などがあげられます。
4.影響を与える関係者への対応
株主 持ち株比率の高い株主はM&Aに反対の意思を持っていないかなど確認しておきましょう。
従業員 M & A で会社を売却するということは従業員にとって大きな問題です。自分の雇用が保障されるのかなど説明をきちんと行い離職に繋げないようにしましょう。
5.早く相談しておく
M & A は売り手側にも買い手側にも手続き段階が多く存在します。
調査や交渉に時間がかかることはもちろん、株の紛失や債務の整理などが出てくる度に対応していては想定外に時間がかかるでしょう。
M&Aの専門家であれば、手続きの中でどのようなポイントで時間がかかるかということを知っています。
早めに専門家に相談しておけばスムーズに対応することができます。
買い手企業
1.資金調達確認
M & A で必要なのは買い取りのための資金だけではありません。
M & A 実施後も人件費や運営費などがかかるため、計画的に準備をしておくことが成功のポイントとなります。
2.デューデリジェンスを検討する
デューデリジェンスは書いて企業の方やリスクを調査するために必要な調査です。
専門家に依頼するためコストはかかりますが、詳しく調査することが成功のためのポイントとなります。
M & A 実施後にリスクが発生することがないよう徹底して調査を行いましょう。
3.価格設定の幅を決めておくこと
M & A をスムーズに決めるために買い手企業は金額の上限と下限を決めておくことがポイントとなります。
企業買収後に得られる利益を大幅に上回る価格になってしまうと M & A が成功したとは言えません。
下限価格は買収対象企業の現時点での精算価格に決めておくと良いでしょう。
中小企業M&Aの相談・依頼先
1.M & A 仲介会社
M&Aにおいて交渉、マッチング、成約までサポートを行う。
M&A手続きに精通し 、幅広い支援やアドバイスを行うことができる。
特徴は案件相談から最終契約締結までのスピードが速いこと。
中立の立場で業務を行うことから、売り手企業と買い手企業双方に一番良い形を話し合いながらM&Aを進めます。
支援内容
事業評価、買い手の選定~クロージングまで総括的なフォローを行う。
・M&A戦略の立案
・取引条件交渉
・取引執行
2.金融機関
金融機関には常に士業専門家や信用保証協会などの支援機関が関わっており 、M & A においてもサポートをしてもらうことができる。
金融機関はこれまでの取引を通じて顧客の詳細な情報を保有している。そのため与信業務を含む業務に対する助言を行うことができることが強みである。
自らの顧客の中からマッチング候補先を探せることも強みである。
支援内容
・顧客との接点の中から問題点を見出し経営状況や経営課題を見える化する。
・自社のM&A専門部署や支援機関と連携してM&A手続きを支援する。
・買い手企業の資金調達業務に関わる。
3.商工団体
商工会議所、商工会、中小企業団体中央会、商店街振興組合連合会など。
地域に根ざした活動を行い、地域の中小企業において最も身近な相談窓口である。
特徴は中小企業向けの公的支援制度の詳細を熟知していること。
経営相談業務の中で事業承継についてのニーズを認識し、支援する。
支援内容
・会員向けの研修などで企業経営者と接点を持つことにより、事業承継に関するニーズを見出して見える化する。
・事業継承ニーズが顕在化した場合は、適切な支援機関への橋渡しを行う。
4.士業専門家
士業専門家はそれぞれの分野の知識を用いて M & A を支援する。またそれぞれが責任を果たしつつも、自らの資格で取り組めない手続きにおいては各士業間で必要に応じ連携をしながらM&Aの支援を行う。
公認会計士
財務会計の専門家である 。
支援内容
・適正な財務書類の作成支援
売り手企業の支援として、財務書類やその他財務情報の信頼性の向上に関する業務を行う 。
・財務デューデリジェンス
買い手企業の支援では、財務専門家としてデューデリジェンスの調査範囲手法などについて助言し調査を行う。
税理士
税理士は中小企業の経営者にとって身近な相談役である。
デューティリエンスやバリエーション等のM & A 業務は直接的には税理士の業務に含まれていないが、税務関係の専門家としてM&A支援を行う。
支援業務
・適正な財務申告書等の作成
・ M & A に伴う経営者保証解除の支援
・代表者の役職退職慰労金の支払いが行われた際の適切な助言やスキームの提案
弁護士
法の専門家として多方面で支援を行う。
売り手側の利害関係者に関して、紛争予防等の観点から弁護士が交渉を行うことがある。
M&Aにおいて個別にトラブルが起きた際も依頼があれば対応を行う。
支援内容
・ 株式・事業用資産等の整理・集約の支援
・ 契約書等の作成・リーガルチェック
・ M&A に伴う経営者保証解除の支援
・ 法務デューデリジェンス
・債務超過企業に対する M&A 支援
中小企業診断士
中小企業診断士は中小企業の経営課題に対応するための診断助言を行う専門家である。
中小企業と行政機関等をつなぐパイプ役を担っている。
中小企業診断士は単独で事業を行っているものの、金融機関や商工団体等他の機関にに所属しているものが多い。
支援内容
・ M&A 前後の企業価値・事業価値向上への貢献
・企業概要書の作成等の支援
・ビジネス(事業)デューデリジェンス
5.事業支援引継ぎセンター
親族内の事業継承と第三者への M & A 事業引継ぎを支援する期間として、全国47都道府県に設置されている。
支援内容
・中小企業から後継者不在の M & A 相談を行う
・ M & A 候補案件を登録機関へ橋渡しする
・公益マッチングによるM & A 促進のため相談案件をデータベース化
6.M & A マッチングサイト
インターネット上のシステムを活用し、オンライン上でのマッチング機会を提供するプラットフォームを運営する。
一般的には M & A 希望者が自ら登録し閲覧することによりマッチング候補先を探す仕組み。
自らマッチング先を探すことでコストを抑えることができる。
支援内容
・マッチング機会の提供
中小企業の理想的なM&A
事業承継型 M & A について
近年業績が良いにもかかわらず、後継者不足で仕方なく廃業を考える経営者が増えています。
そのような背景から後継者不在問題の解決策として注目されているのが事業承継型 M & A です。
後継者不在により事業承継型 M & A を行う際には、従業員の雇用や現在の事業をある程度維持しながら譲渡するのが理想となります。
経営者の M & A に対する不安
M & A を行う経営者は「自社の価値を正当に評価してもらえるのか」「仲介業者にM&Aを強引に進められるのではないか」「仲介手数料が高いのではないか」という不安を持っています。
ほとんどの経営者にとってM&Aははじめてのこと。不安があるのは当然とも言えます。
理想的な M & A
理想的な M & A とは経営者の思いや会社の特徴を大切しながら従業員の雇用も守ってくれるような、信頼できる企業を見つけることです。
またM & A をきっかけに新たな視点が加わり、M&A後の会社が成長していくことも大切です。
そのためにはM&Aのパートナーが重要となります。お互いの企業にとって一番メリットがある提案をしてくれる仲介者を選び、効率重視ではなく時間をかけてM & A を行いましょう。
みどり財産コンサルタンツがM&A専門アドバイザーとして選ばれる理由
1.地方の中小企業の実態に合わせた対応ができる
みどり財産コンサルタンツの創業は香川県高松市。これまで中小企業経営者の事業承継をお手伝いしてきました。大手M&A専門会社にはないマメさがあり、オーナー経営者の感覚に合わせた対応が強みです。
2.成立後の手厚いアフターフォロー
M&A成立後、売り手・買い手をきちんとフォロー。M&Aをゴールとするのではなく成立後に起こりうるあらゆる事態を想定し、法人財産コンサルティングのプロとしてお手伝いします。
3.独立系のM&A専門会社である
みどり財産コンサルタンツはどこの金融機関にも属さない独立系のM&A専門会社です。中立的な立場から提案やアドバイスをさせていただきます。
4.みどり合同税理士法人グループの強力なネットワークでワンストップサービスを提供
みどり財産コンサルタンツの母体が会計事務所であり、グループ会社には税理士法人、経営コンサル専門会社もあります。M&Aや相続対策などワンストップでお任せいただけます。
みどり財産コンサルタンツのサポート体制
1.無料株価算定
決算書等資料をいただき、概算の株価を無料で算定いたします。
2.初期面談無料
完全報酬型であり、初期面談や着手金などは無料です。
(一部例外となる場合があります。)
3.万全のセキュリティ体制
お客様の情報は安全な環境で保管いたします。
データをパソコンに保存する際はファイルを暗号化しており、万が一データが流出しても遠隔操作で削除できる技術を使用しています。
4.アドバイザーが専任で対応
アドバイザーがM&Aの開始から成立まで専任で対応。数ヵ月に渡るやり取りがスムーズに行われるようサポートします。
お問い合わせはこちら
M&Aに関するお問い合わせは以下よりお気軽にご連絡ください。初回相談は無料です。
https://www.midori-zc.co.jp/inquiry/form/