2019年03月15日
経営者を続けることが生きがい
こんにちは(^O^)/2019年3月13日の日経新聞に「不要な土地・建物 国に寄付」という記事が掲載されていました。
記事によれば、財務省は個人が不要になった土地・建物を国に寄付できる新制度をつくる検討に入ったそうです。
全国各地で相続放棄される土地が増えいることを踏まえ、条件を満たす土地に物件については寄付を受け入れ、他の活用を探るようです。
土地の相続放棄が増えているのは、少子化が要因の一つとのこと。相続放棄までいかなくとも、相続で引き継いだ土地建物を活用することもできず、売ろうと思っても売れず固定資産税などの負担だけがかかっているというケースも多いはずです。
国に寄付ができれば、固定資産税などのマイナスだけだった負動産を切り離すことができます。
所有者の負担、物件の適正利用、安全確保、外国人の不動産取得規制の観点などから早期の検討を期待したいものですね。
さて、巷では、中小企業の廃業が問題になり、事業承継が注目されています。
税制も事業承継税制の特例を用意し、中小企業の事業承継を後押ししようとしています。
このようななか、興味深い記事を見つけました。
2019年3月11日号の納税通信に「中小企業社長の意識調査 承継準備に着手は2割どまり」という記事が掲載されていました。
記事によれば、50代以上の中小企業経営者で、事業承継の準備に実際に着手している割合は5人に1人にとどまることが、エヌエヌ生命の調査で分かったそうです。調査は、50歳以上で、5人以上300人未満の従業員を雇用する経営者2,297人を対象におこなったものだそうです。
この調査によれば、事業承継計画について「すでに準備をしている」と答えた社長は19.1%にとどまり、「考えてはいるが準備はしていない」が最も多い24.6%、「後継者がいないので考えられない」が22.6%と、多くの中小企業では承継計画にとりかかっていないことが明らかになったとのこと。
事業承継によって自身が経営者となった1,041人に承継時の状況を聞くと、円滑な承継を経ても、実際に事業を動かしてみると運転資金や借入金返済などで何らかの苦労に見舞われたそうです。
現在の会社の状況について、経営化だとして最も挙がったのは「人材の確保・育成」の49.2%だったそうです。人手不足が中小企業の経営に深刻な影響をもたらしている実情が現れています。
2025年に自身が何をしているかという質問に対し、半数以上の54.1%が「現状のまま、経営者を続けている」と答え、その理由として最も多かったのが「経営者を続けていくことが生きがいだから」(42.2%)という答えだったのだそうです。
記事では、中小企業の事業承継が語られる際には後継者不足や税負担の重さからくる対策の遅れが指摘されることが多いが、現役経営者からすれば、できるだけ長く自分が経営をしていたいという気持ちが強くあり、それゆえ承継準備にとりかからない部分もあるのかもしれないと締めています
自分が経営者を続けていたいと思っているのであれば、事業承継は進むわけがないですよね。
2019年3月15日の日経新聞に「事業承継支援へ300億円ファンド」という記事が掲載されていました。
記事によれば、みずほキャピタルパートナーズは、3月15日に300億円の企業買収ファンドの資金調達を完了するそうです。
新ファンドは5年程度かけて約10社に投資し、投資案件の中でも、大株主である創業者から現経営陣が株式を買い取って独立するMBOに力をいれるのだとか。
自分が経営者を続けていたい経営者が気が済むまで引っ張って、ある日リタイアを考えると、出口は、M&Aやファンドの力を借りたMBOなどが多くなるのかも知れませんね。