2010年12月05日
【法人保険 / 保険税制】企業の倒産防止保険や経営悪化防止保険は、なぜないの?
中小企業基盤整備機構(国が全額出資)が倒産防止共済を扱っています。ただし、これは金額が少ないのです。民間損保会社は取引信用保険を扱っています。しかし、これは保険料が高く、日本ではあまり普及していません。
前記2件以外には、倒産防止や経営悪化に役立つ保険は存在しません。倒産防止保険や経営悪化防止保険という名称の保険は発売されておりません。なぜでしょうか?
モラルリスクが発生し、一生懸命に働かず、朝寝朝酒・ゴルフ・飲食等に無駄使いする等、ワザとに赤字にし、保険金をもらおうとする保険契約者が出現することを危惧するからなのです。したがって、保険会社は倒産防止保険や経営悪化防止保険を発売しないのです。
人間は必ず、死ぬものです。企業もいつかは、なくなるものです。リーマンショック後、経営悪化し、経常利益段階で赤字に転落している法人が弊社㈱船井財産コンサルタンツ高松の顧問先にもかなりあります。ところが、弊社の顧問先のほとんどが、高収益時に導入したがん保険・オペレーティングリース等を換金して、経営悪化や倒産を防いでいます。したがって、弊社の顧問先の倒産は皆無で、顧問先は増え続けています。このように、いったん払った法人税は原則として1年分しか戻らないので、高収益時に、将来の不測の事態に備えるため、利益を先送りしておく必要があります。そうすると、不測の事態が発生したときに、がん保険等を解約して、経営危機を脱出することができるのです。
実質的に、がん保険等が、倒産防止保険や経営悪化防止保険としての役割を果たしたのです。
深く知りたい方は
①金融商品を活用した倒産回避方法⇒http://www.funai-t.co.jp/topics/topic.php?id=316
②中小企業倒産防止共済・取引信用保険・がん保険の比較
中小企業倒産防止共済 | 取引信用保険 | がん保険 | |
取扱機関 | 独立行政法人: 中小企業基盤整備機構(国が全額出資) | 損害保険会社 | 外資系生命保険会社 |
目的 | ① 借入による連鎖倒産防止 ② 中途解約による赤字転落防止 | 売掛債権の貸倒対策 | 解約返戻金による経営安定化・ 将来の設備投資・ 退職金積立・将来の赤字転落防止 |
掛け金 | 最高掛け金8万/月での支払い。総額320万円まで | 1年間の掛け捨て | 被保険者と保険会社を増加させることにより、多額可能 |
掛金の損金性 | ① 法人の場合全額損金 ② 個人の場合全額所得控除 | 同左 | 同左 |
万が一の際の保証 | 最大3200万の保証しかない(ただし、掛金累計の10倍が借入限度) 保険と違い支払ってもらったお金は融資と同じで返済しなければならない(5年間で返済) | ① 1社の限度額内であれば全額支払われる ② 一部リスクの大きい取引先には免責とされる場合がある ③ 保険金は返済する必要なし | がん給付金以外に任意解約時に解約返戻金が払われる。この解約返戻率は保険会社により大きく異なる。解約返戻金率が高いものは倒産防止に役立つ。がんに罹患した場合は、がん保険金が払われる |
普及度 | 平成21年3月末の在籍件数:29万件と多い。 | 内国損保の場合ハードルが高く、日本では非常に実績が少ない。 | ここ数年前から激増している。 弊社㈱船井財産コンサルタンツ高松は全生保のがん保険を紹介できる。比較して加入可能 |
加入窓口 | 金融機関・商工会議所・商工会 | 外資系及び国内系の損害保険会社 | 外資系生命保険会社やその保険代理店。全部の保険会社の取扱のある代理店が便利 |