2008年11月09日
非上場株の相続税の納税猶予制度は誰の陰謀か?
非上場株の納税猶予制度は欠陥だらけ!都市地主には小規模宅地の評価減、市街地農地には相続税の大幅優遇税制がある。
ところが、中小企業の自社株には大きな相続税優遇制度がなかった。
そこで、中小企業の相続倒産や廃業を防止するために、納税猶予制度が本年10月より設けれれる予定になっている。この納税猶予の適用を受けるには厳しい多数の要件を備えなければならない。諸要件を備えて、はじめて相続税を繰り延べることができる。相続後も長期間多数の条件を守り続けて初めて免税となる。要するに、相続税の免税ではなく、納税繰り延べにすぎない。
したがって、この納税猶予制度を使う経営者は少ないであろう。しかも、当局は、これを機会に相続税の課税体系を法定相続分課税方式から、遺産取得課税方式に変えようとしている。これにより、相続税を増税をしようとしているのである。
うがった見方をすれば、自社株の優遇税制という飴をしゃぶらせ、遺産取得課税という鞭をあたえて、相続税全体では増税を図ろうとしているのではないかと、私は疑っている。
納税猶予制度の適用な慎重に検討する必要がある。
納税猶予制度を適用するにしても、他の事業承継対策と併用することが肝要であろう。