2019年10月07日
新ビジネスは噴出するか?!
10月4日 日経新聞朝刊
「企業の240兆円活用へ M&A税制優遇検討」
日本の企業が保有する現預金が240兆円を超えた、日本企業の現預金は2012年度から2018年度までに27%も増加した、とあります。
政府はこの240兆円を眠らせる事なく、なんとか将来の成長分野に活用させたいと考えて、税制面からも支援を行っていく方針の様です。
将来の成長につながるM&Aや投資を加速させる仕組みづくりを検討しており、新興国企業との連携も後押しする、との事です。
少子高齢化、人口減少時代に突入している日本において、240兆円もの資金をいつまでも眠らせておく訳にはいかないのでしょう。
今後の税制の動向に注目ですね。
9月24日 日経新聞朝刊
「金融、社内起業に動く みずほFG・オリックス、社員に公募」
メガバンクなどの金融大手が新事業の開発を急いでおり、みずほフィナンシャルグループは全連結子会社を対象に、オリックスはグループ68社を対象に社内からの事業公募を始めた、との事です。
新ビジネスの創出は新規事業部門の役割ではなく、全社員の役割なんだと読み取れます。
背景には、長引く低金利で金融機関の収益力が下がっている事、低金利にもかかわらず、企業は金融負債よりも金融資産の方が多い状態が10年以上も続いている事がある様です。
企業の金融資産の超過額は、18年度には約14兆円と空前の額に達しており、企業のニーズは資金調達から、事業承継やビジネス機会の発掘などに移っている、との事です。
14兆円も金融資産が超過している時代の企業のニーズは資金調達ではなく、メガバンクでも新ビジネスの創出が必須となっているのでしょう。
大手金融機関も生き残りをかけて、新ビジネスの創出に注力しております。
多くの企業において、将来の成長の為には新ビジネスの創出が必要なのではないでしょうか?
令和の日本では、多くの企業の努力が実を結び、日本に新ビジネスが噴出し、240兆円もの巨額の資金がダイナミックに動き出す時代が到来するでしょうか?
そんな心躍る時代になって欲しいな、と思います。
弊社の主サービスはタックスプランニングと投資機会の提供です。
常に税制の動向の先読みは必要不可欠です。
また、多くの方々へ提供させて頂いている投資機会の提供も、新ビジネスも含めて更に注力します。
国内外に目を向けて様々な投資機会の可能性を探っていき、お客さんの発展を通して、日本の新たな成長に微力ながら寄与出来たら幸せなビジネスかと思います。
(余談ですが)
みずほやオリックスなど、全社員が新ビジネスの公募が出来る体制となっている様ですが、公募はぜひ無記名で実施して貰いたいですね。
どうしてもベテランや実績のある人物のアイデアが良く見えてしまい、新入社員や大きな実績のない人物のアイデアは大した事ない、と判断されがちです(ハロー効果と言われる認知バイアス)。
このバイアスを排除出来る人間はまずいないでしょう、その為、公募を無記名としてハロー効果が生じない状況を作り出す事が大事ではないでしょうか。
結果、素晴らしいアイデアが埋没する事なく議論されたら良いな、と思います。
数年前の東京オリンピックのロゴマークの選定にあたり、 プロのデザイナーが考案した東京オリンピックのロゴマークに盗用の疑いが生じ、一度は決定したロゴマークが撤回されました。
その後、無名のデザイナーや一般の方々が考えたロゴマークがネット上に数多くアップされておりました。
個人の好みもあるかと思いますが、扇や桜等をモチーフとした素晴らしいロゴマークが多数あり、こっちの方が良いじゃないか!プロより良いじゃないか!と感じた事を思い出しました。
大谷桂一