2024年04月16日
全国の公示価格が発表されました!
令和6年3月27日、全国の公示地価が発表されました。公示地価は適正な地価の形成のため、毎年1月1日時点における標準地の価格を3月に公示するものです(全国26,000地点で実施)。全国の地価はどのような変化があったか見ていきましょう。
■2024年の公示地価の変動率
全国の公示地価の平均は、「全用途平均」「住宅地」「商業地」でいずれも3年連続で上昇し、バブル景気だった1991年以来、33年ぶりの高さとなりました。上昇傾向は全国に広がり、コロナ禍で落ち込んだ地点のほとんどは、コロナ以前の地価まで回復しました。
(令和6年地価公示の概要 令和6年3月土地政策審議官から引用)
■東京圏の地価
東京を中心に埼玉、千葉、神奈川、茨城の4県の一部を含む「東京圏」の地価は住宅地や商業地などをあわせた全体の平均が去年と比べてプラス4.0%となり、3年連続で上昇しました。新型コロナウイルスの影響が薄れ、出社を再開する企業が広がるなか、通勤などに便利な豊島区や中央区といった地域で地価の上昇が顕著になっています。また、周辺の4県では、千葉市や横浜市、川崎市などで上昇率が拡大したほか、都心部へのアクセスがよい鉄道の沿線を中心に上昇しました。
住宅地のみで見ると、プラス3.4%の上昇となりました。住宅地で上昇率が最も高かった地点は分譲マンションがある「港区芝浦2-3-27」で上昇率は13.9%でした。港区の湾岸エリアや目黒区の高価格帯のマンションが供給されるエリアなどに上昇地点が分布しており、マンション需要の急増を反映しているとみられます。
商業地のみで見ると、プラス5.6%となりました。オフィス需要が底堅く推移したほか、円安を背景とした外国人観光客の増加で、飲食店やホテルなどの業種で土地の需要が増えたことなどが地価を押し上げました。都内の商業地の上昇率上位5位までを台東区浅草地区が占めました。首位は昨年と変わらず、つくばエクスプレスの浅草駅前に位置する「台東区西浅草2-13-10」で上昇率は17.8%です。上昇の要因は、外国人観光客の増加によるインバウンド需要が復活したためで、新型コロナ流行前の価格を上回りました。
■地方圏の地価
地方圏の中核都市である札幌、仙台、広島、福岡の4市では11年連続、それ以外の地方圏でも2年連続のプラスとなり、上昇傾向が全国に波及しました。コロナ禍で落ち込んだ地点のほとんどはコロナ前の水準まで回復しています。地方4市では、引き続き旺盛なマンションやオフィス需要、再開発の進展を背景に高い伸びが継続しています。
現在、日本経済はインフレ局面に突入しており、全国的に地価は上昇しています。しかしながら、長期的には少子高齢化による人口減少の影響を受け、地価の下落が懸念されます。不動産投資を考える際には、人口が集中する都心エリアなど、人口減少局面でも一定の需要が確保されるエリアへ投資をすることで、保有する不動産の価値を維持することができるのではないかと考えます。