2016年04月20日
【不動産 税金対策 / 不動産 節税】不動産投資における地震リスクについて
先日の熊本の大地震に際し、被災された方々には心よりお見舞申し上げます。私は熊本には知人や友人がいませんので、自分に直接関係することでまず心配したのは、太陽光発電所の被害状況についてです。
お客様に、熊本の太陽光発電所をご紹介し、ご購入いただいたからです。
中には、非常に震源地と近い物件もあり、とても心配しました。
結果的に無事ということが判明し、お客様にその連絡ができて本当に安堵しました。
さて、話は変わりますが、最近はお客様に対して資産運用の一つとして、あるいは、自社株評価対策として不動産投資をご提案する機会が多くなりました。
不動産投資は東京で行うことが理論的には最もリスクを抑えた投資になると考えています。
それは、経済・インフラ・人口すべてが東京に一極集中していることから明白です。
しかし、東京の不動産投資をお客様にお勧めすると、「東京は地震が怖い」という意見をいただくことが多いです。
確かに、色々なものが集まりすぎて万一の際には被害が大きくなることは想定でき、また、湾岸部は埋立地が多く地盤が弱いエリアもあることは事実です。
しかし、今回の熊本の様に、一般的には地震リスクが小さいと考えられていた場所でも地震は起きます。東京に限らず、日本全国どこの不動産も地震リスクを避けて通ることはできません。
そこで、不動産投資の際に一つ参考になる指標が地震PMLです。
地震PMLは、建物が地震災害により、どの程度の損害が発生する可能性があるかを評価する手法です。地震PMLの定義は様々ですが、一般的には、475年に一度クラスの最大級地震がその地で生じた場合、建物を地震以前の状態に復旧するために必要な費用の予想額を建物の再調達価格に対する比率 (%)であらわしたものとなります。
数値に対する一般的な考え方は以下のようです。
0~10%:極めて低い、軽微な構造体の被害
10~20%:低い、局部的な構造体の被害
20~30%:中位、中破の危険性が高い
30~60%:高い、大破の危険性が高い
60%~:非常に高い、倒壊の危険性が高い
不動産デューデリジェンスの一指標として活用される例が多く、一般的に不動産投資ファンドでは、投資対象物件の地震PMLは15%以内のものに限定されたりしています。
対象物件の所在地の地域や地盤特性を考慮した数値であり、不動産投資の際に確認できるようであれば確認しておきたい数値です。
また、東京の築年数が古い物件は、土地建物合計の投資額に対し、建物が占める割合が小さい案件になる場合が多いです。
最悪、建物が倒壊しても、投資額の大部分を占める土地は残るという考え方もできるのではないかと思います。
投資にリスクはつきものですが、何もしないで貯金だけをしておくということも、実は資産価値下落や課税のリスクをはらんでいます。リスクをできるだけ正しく把握して、投資をご検討いただくことをお勧めしたいと思います。