2018年11月29日
金利上昇を念頭に
こんにちは(^O^)/本日2018年11月28日の日経新聞に「仮想通貨『採掘』に誤算」という記事が掲載されています。
仮想通貨の「採掘(マイニング)」の専門業者(マイナー)たちが苦境に立たされているそうです。
仮想通貨ビットコインの価格が急落するなか、電気料金などコストが高止まりする中で採算が悪化し、マイナーの撤退が相次いでいるそうです。
昨年12月に頂点を迎えた「ビットコインバブル」が崩壊し、今年はほぼ一貫して下落。11月には1ビットコインの価格は一時4,000ドルを割って1年2カ月ぶりの安値を付けました。
昨年12月に記録した最高値のおよそ5分の1の水準。価格がこの水準では増大するコストを賄えず、マイナーは、マイニングを続けるほど赤字が膨らむ構図に陥っているそうです。
記事によれば、ビットコイン価格急落に加え「ハッシュレート(採掘速度)」と呼ばれるマイニングに必要な計算量の増大がマイナー業者の業績に悪影響を与えているのだとか。
ビットコインのハッシュレートは、ビットコイン価格が昨年末を頂点に下落に転じた後も上昇を続け、8月には16年末の20倍を超えたそうです。
新規マイナーが今年に入ってからも次々に参入し、マイナー間の競争が激化。報酬の仮想通貨を獲得するのに必要な計算量も増えたそうです。
マイニングの損益分岐点は、電力料金が高い日本で1ビットコインあたり12,000ドル程度で、北欧など電力が安価な海外では3,500ドル程度と試算されているそうです。
GMOインターネットは2018年7月~9月期のマイニング事業の営業赤字が6億円となり、前四半期から赤字幅が約3億円拡大したそうです。高値づかみをした装置の償却費が重荷になったうえ、ハッシュレートのここまでの上昇は想定外だったとのこと。
SBIホールディングスは先行投資負担もありマイニング事業は赤字に陥っているもようとのこと。
DMM.comは、事業内容の再構築などを含め社内で議論を重ねているとのこと。
インフラを支えるマイナーの苦境はバブル崩壊の後遺症を一段と長引かせそうだと記事は締めくくっています。
今年に入り、マイニングマシン投資やマイニングファーム投資、さらにはそのマシンを即時償却するなどの税優遇活用の話題がにわかに広がりました。
このような投資を日本国内で実行した投資家は、今は我慢時…ということでしょうか。
ビットコイン価格次第という状況ですが、記事によれば、11月中旬、ビットコインは一段安になり、これを機にそれまで上昇していたビットコインのハッシュレートも急落したとのこと。
マイナーが利益の出ない水準までビットコイン価格が下落し、一部の業者がマイニング装置のスイッチを切ったことを示唆するのだそうです。
もともと日本国内で個人でマイニングをしても利益が確保しづらい運用環境でした。
場合によっては損切ということもあるのかも知れません…。
さて、同じく本日2018年11月29日の日経新聞に「米長期金利『21年に6%』」という記事が掲載されていました。
米国市場で「新債券王」と呼ばれる著名投資家のジェフリー・ガンドラック氏が、現在3%台で推移する米長期金利は「2021年までに6%に達する」と予測しているそうです。
「16年に『21年に長期金利は6%に到達する』と予想した。今もその方向に向かっている」
ガンドラック氏は2016年夏、市場関係者の中でいち早く長期金利の底入れを主張し、予想通りの展開となったそうです。
2018年10月に10年債利回りは約7年ぶりに3.2%台に上昇。足元は3.0%台まで低下したが、同氏はまだピークは打っていないとみているそうです。
米10年債利回りは、50~60年周期で循環しているという説もあります。
この説に当てはめると、前回米国10年債が1981年に金利16%でピークを付けた後、2016年まで約35年にわたり金利低下が続いたと見ることができます。そして、2016年から始まった金利上昇は、今後30年にわたり続くとも考えられています。
金利は様々な影響がありますが、我々にとって身近なところでは、外貨建て生命保険です。
外貨建て生命保険の中には、市場金利が解約返戻金に影響を与えるものがあります。
今は良い利回りに思えても、市場金利が上昇すると競争力が失われます。長期にわたり、負けた運用を続けなけなければならない場合が想定できます。
生命保険は、契約の目的を明確にする必要があります。
その外貨建て生命保険が目的に合っていれば良いのですが、もしも「運用商品」として外貨建て生命保険を選択した場合には、金利上昇のマーケットの中では期待外れの運用対象となってしまう可能性があることに注意が必要です。