コラム Column

2016年01月14日

税制改正のつづき

こんにちは(^O^)/
株が下がってますね…。
そして、SMAPの解散の噂はもっと大きなニュースになってますね。

さて、平成27年の税制改正で「財産債務調書制度」が創設されました。
確定申告の際に、個人の財産と債務の明細を税務署へ提出してくださいという制度です。
平成28年3月15日期限の確定申告の際に、初めて提出することになります。

以前から「財産及び債務の明細書」という制度があり、これは、退職所得以外の各種の所得金額の合計額が2,000万円を超える人が対象でした。
この財産及び債務の明細書には罰則規定がなく、対象となる人でも出していない人も珍しくありませんでした。
出していない場合に、税務署から提出を催促されますが、その場合でも土地や建物程度を記載して出すという対応が一般的だったのではないでしょうか。

「財産債務調書」は、「財産及び債務の明細書」が名前を変えたものですが、中身はまったく違います。

提出が義務付けられる人は、合計所得金額が2,000万円を超え、かつ、3億円以上の財産を保有する人です。
所得金額は、分離課税となる所得も合算します。
意外と多くの人が該当します。
財産には、自社株式も含みますので、優良中小企業のオーナー経営者は、該当する方が多いので社ないでしょうか。

「財産債務調書」では、インセンティブ規定と罰則規定が設けられます。
財産債務調書を期限内に提出していれば、その調書に記載されている財産から得た所得等の申告漏れがあった場合に、過少申告加算税が5%軽減されます。これがインセンティブです。
財産債務調書を期限内に提出しておらず、あるい財産債務を記載しておらず、その財産から得た所得の申告漏れがあった場合には、過少申告加算税が5%加重されます。これが罰則です。

財産債務調書制度が規定される国外送金等調書法を見ると、この精度では、税務署職員に「質問検査権」が与えられているということが分かります。
適当に対応していると、この財産債務調書をきっかけに個人の税務調査につながる可能性があります。
厄介です。

本当のことは書かないという対応も聞かれますが、国外送金等調書法第9条では、提出しない場合、偽りの記載をした場合、税務署職員の質問検査に応じなかった場合などのときに、一年以下の罰金又は50万円以下の罰金に処するとされています。

調書の記載例を見ると、相続税申告書を思い出します。
相続財産の現況を毎年申告させるという恐ろしい調書です。

マイナンバーもスタートし、全財産を捕捉されたなかで合法的な節税対策を講じなければならない時代になってきました。

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