2012年07月26日
改めて退職金を考えてみる
こんにちは(^O^)/いや~、暑いですね!
暑いではなく、熱いと言えば、ロンドンオリンピックですね。
サッカーが他の競技に先駆けて予選リーグがスタートしましたね。
昨夜のなでしこ、序盤は緊張が見られましたが、良い試合でした。
さて、7月24日の日経新聞に「企業年金、10年で7割減」という記事が掲載されていました。
企業年金を取りやめる中小・零細企業が急増していて、企業年金の数は10年前と比べると7割も減ったそうです。
適格退職年金(適年)という制度が、2012年春に廃止になりましたが、適年を導入していた企業の約半数は、代替制度の導入はせずに企業年金を一切持たない道を選んだとのことです。
中退共事業本部は「適年から中退共に移らなかった零細企業も企業年金はやめて退職一時金に切り替えたのではないか」とみていると記事では紹介されています。
驚くべき状況です。
企業年金制度を考えていくと、どうしても退職金の話しにシフトしていきます。
この適年廃止の対応ということもあり、退職金制度についてのご相談を受けることが2、3年前から増えてきました。
最近も退職金制度のご相談を受けました。
このようなご相談をいただく経営者の方は、従業員の方に支給する退職金のことを真剣に考えています。
将来の退職金支給に備えて、どのように資金準備すべきかを考えていらっしゃいます。
今の日本では、退職金を給与の後払いとする考え方が主流と思われます。
この考え方が染みつき、退職金を出すべきものだという前提で、退職金支給の準備を考えるという傾向が強いと思われます。
退職金規定が現存する会社の場合には、退職金規定の存在が退職金準備の検討を促す大きな要因になっていることも多いと思われます。
しかしながら、7月24日の新聞記事は、大きな流れの変化を映しています。
この記事は、企業年金制度を持たない会社が増えたという記事です。中小で働く人の老後が不安だという記事です。
企業年金制度を退職一時金に切り替えたという紹介がされていますが、結果的に、退職金制度をどうするかという問題につながっていきます。
会社にとっては、退職金の支払いは、将来に負債を先送りする仕組みとなっています。退職金の要支給額が、退職金債務と呼ばれるゆえんです。
経営環境が短い期間で激変する現在、支払わなければならないものを将来に先送りし、負債としてしまうことが、会社経営にとって良いかは甚だ疑問です。
会社に対するロイヤリティを従業員が持つことを期待して、退職金制度を充実させるという考え方があります。間違いではないと思います。
従業員が持つ会社に対するロイヤリティを考えた場合、業績が上がった際に賞与で還元したり、給与を同業他社や同じ地域の中小零細企業よりも高いレベルに設定したりすることで、強化を図るという考え方もあります。
短期的には、退職金制度の充実よりも高い効果が期待できます。
個人にとっては、退職金で受け取ると、給与で受け取るよりも手取りが多くなりメリットがあります。
退職金は、税制が優遇されているためです。
退職金にポイント制を設ける例も、数年前から見られるようになってきています。
会社にとってのメリットと従業員にとってのメリット、両社のバランスをを取りながら、それぞれの会社に合う退職金制度の模索をスタートさせる時期に来ている気がします。