2009年04月16日
がんばれ 遠賀タクシー
こんばんは(^-^)/4月7日放送のガイアの夜明けでタクシー業界の新しい動きを特集していました。
その中で、福岡県の遠賀タクシーの取り組みが紹介されていました。
遠賀タクシーは、画期的な新料金体系とそれをささえる新料金メーターを開発し、乗客の支持を得、業績を伸ばしていました。
ところが、国交省がその新料金体系に継続の認可を与えなかったとのこと。
かなり省略しましたが、こんな内容でした。
国交省が新料金体系を認めなかったのは、お決まりの「前例がないものは認められない」という理由のようです。
関連するように、日経ビジネス4月13日号の「敗軍の将、兵を語る」に、遠賀タクシー社長の怒りが伝わる記事が掲載されています。
番組では紹介されなかった内容も紹介されており、新料金体系と新料金メーター(合わせて『ゾック』という名のシステム)が、乗客とタクシー会社の双方にとってどれほどメリットのあるシステムであるかが再確認できます。
番組と記事両方で紹介されていましたが、ゾックを稼働させるために、遠賀タクシーは行政機関の驚くべきハードルをクリアしています。
料金形態は国交省(九州運輸局)の認可が必要で、タクシーメーターは経済産業省の認可が必要なのだそうです。
しかもタクシーメーターは耐久試験が必要で、その耐久試験は独立行政法人産業技術総合研究所が担当するのだそうです。
数々のハードルを乗り越え稼働し始めたゾックは、稼働から1か月でその認可期間が切れ、継続が認められなかったというのです。
番組では、「認可が出ませんでした。でもゾックのタクシーは走ってます。」的な終わり方をしていましたが、記事を読むと、現在は無認可で走っているのだそうです。
遠賀タクシー社長は覚悟を決め、変革を起こすべく、無認可ゾックを継続稼働しているようです。
なによりも、サービスの利益を受ける乗客がゾックを選択しているということに注目すべきです。無認可となった今でも1日300件の利用があるそうです。
恐るべし石頭行政。
無駄なセグメントにより、無駄な仕事を増やし、税金が無駄に使われています。
そして、本件では新しい価値を何も生んでいません。
日本は、少子高齢化を突き進んでいます。
自分で車を運転しない人が増えるはずです。今後はタクシー需要が増えるのではないでしょうか。
でも、規制で守られてサービス以上の料金を要求するタクシーを、本心で利用したいという高齢者がどれほどいるのでしょうか。
健全な競争が行われるなかで、より良いサービスが生まれ、良いサービスには乗客も納得して料金を支払うでしょう。
結果的には、それが安い運賃なのかもしれません。
問題は、その良いサービスの本質は何かということです。僕は個人的には、運転手の方がわざわざタクシーを降りて、ドアサービスをしてくれるのが本質的なサービスとは思えません。
遠賀タクシー社長は、番組の中で「タクシーは密室であるが故に、もっとも不快な乗り物にもなり得るし、もっとも快適な乗り物にもなり得る。」と言っています。
その通りだと思います。
ゾックは納得して料金を支払えるシステムで、このような明朗なシステムがあれば、高齢者のタクシー利用を喚起することもできるでしょう。
高齢者が安心して移動できる移動手段は、今後ますます必要となります。
移動手段が確保できていれば、消費も期待できます。
地域社会も潤います。
行政機関は、本来であればこのような全体最適化を念頭においた判断をすべきなのです。