コラム Column

2016年11月10日

海外居住の相続税対策は現実的か?

こんにちは(^O^)/
アメリカ大統領選挙は、トランプ氏が勝ってしまいましたね~。
アメリカ人は変化が欲しかったということなのでしょう。
マーケットは、激しい動きになっています。もう少し様子を見ないと傾向がつかめない感じです。
 
2016年11月10日の日経新聞の記事の中に、「米国民は過激な異端児に核兵器のボタン預け、経済と政治の変革を託した」とありました。
そうでした。アメリカの大統領は、核ミサイルを発射できるのです。恐ろしいですね。
 
さて、最近、「プライベートバンカー カネ守りと新富裕層」という本を読みました。
 

物語のはずですが、緻密な取材に基づいた事実が織り込まれていて、どこからどこまでが作り話なのか分からなくなってしまいます。
この作品の中で、海外居住を選択して相続税を逃れる富裕層の実態が描かれています。
 
簡単に言うと、現在は、親子で5年間、海外に居住すれば海外資産については相続税・贈与税が課税されません。
これを狙って、海外へ移住する富裕層がいます。
「プライベートバンカー」のなかでは、海外での5年間という時間を持て余す富裕層が紹介されています。
舞台はシンガポールですが、季節感がなく、友人知人がおらず、すぐに生活に飽きてしまうそうです。日本人同士の噂話はすぐに広まるため、ひっそりと生活している人もいるのだとか。
 
2016年10月21日の日経新聞に「税逃れの海外移住に網 相続税、5年超す居住にも」という記事が掲載されていました。
記事によれば、政府・与党は現在の5年ルールを10年以上に変更する案を検討しているそうです。これは、2017年度税制改正大綱に盛り込む方向だそうです。
 
多くの人にとって時間は高い価値のあるものです。
経済的に成功し、自由に時間を使えるようになった人に5年間の行動制限が加えらえることは大きな負担になるでしょう。
これが、10年に延びるというのです。永遠にも近い感覚でしょう。
 
この改正により、海外移住して相続税・贈与税の節税を図ろうという人はかなり少なくなるのではないでしょうか。
「プライベートバンカー」でも紹介されていますが、経済的に成功した人が節税に積極的であっても、その家族は長い海外生活を続ける動機づけは弱い場合があるようです。
本人も時間を持て余すのに、動機付けの弱い家族を10年間も海外で生活させるのは極めて難しいでしょう。ビジネスや教育など別の動機付けが必要なのでしょう。
 
国外財産調書制度がスタートし、海外資産移転課税が整備され、国同士の情報共有も進んでいます。
海外へ資産をフライトさせて税逃れを図ることも難しくなってきたようです。
日本国内の質の高い生活を楽しみながら、国内で節税を図るということが王道ということでしょうか。
 
 
 

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