2021年06月22日
注目の事業再構築補助金1次公募の結果が発表されました!
こんにちは、コンサルタントの伏木です。
弊社代表の川原及び各コンサルタントがご案内させていただいており、私のお客様の間でも非常に関心の高い事業再構築補助金の続報です。
なぜこれほど話題になっているかというと、補助枠の上限が通常枠で6000万円です。他の補助金は1000万円程度が上限ですので、金額が大きいです。
また補助対象経費として建物費が含まれており、それに付随する外注費や広告宣伝費も対象ということで、対象となる設備投資の範囲及び金額が大きくなります。
現在は7月2日(金)期限の2次公募の受付中で、私共もお客様のお手伝いが佳境を迎えておりますが、ついに6月16日(水)に緊急事態宣言特別枠、18日(金)に通常枠他の採択結果が公表され、1次公募の結果が出そろいました。
こちらがその採択件数結果です。
中小企業等の申請に限ってみると、通常枠は応募件数16,897件のうち採択件数は5,092件で採択率30.1%、特別枠は、応募件数5,167件のうち採択件数は2,859件で採択率55.3%となりました。全体では応募件数22,231件に対し採択件数は8,016件と採択率36.0%です。
明らかに通常枠と特別枠では採択審査についての考え方に違いがあることがわかります。補助金としての趣旨が違うと言っても良いのではないでしょうか。第2回の「事業再構築補助金の概要」に、特別枠については採択件数に限りがある旨も記載されておりますので、コロナの影響を大きく受けて売上単月30%前年比減少していて、事業再構築をお考えの事業者様は早めに特別枠での申請をご検討されるのがよろしいのではないでしょうか。ただし、補助金の上限額1500万円となりますので、ご注意ください。
事務局の発表資料で、地域別や応募金額別、認定支援機関別の統計も発表されておりますが、私が一番注目したのは業種別の割合です。
応募件数と採択件数の割合は下表の通りです。
表を見ると明らかに「製造業」と「宿泊業、飲食サービス業」の割合が高いことがわかります。次が「卸売業、小売業」となっております。
特に応募件数よりも採択件数の全体に占める割合が増加しているのは、「製造業」と「宿泊業、飲食サービス業」だけであることがわかります。
これはお分かりの通りこの2業種については全体の採択率より、採択率が高いということを意味します。
ただし正確に集計しているわけではありませんが、公表されている採択事例を見てみると「飲食サービス業」は特別枠での応募及び採択件数が多い印象です。特別枠での採択が2,800件ほどですが、50%くらいは飲食サービス業なのではないでしょうか。
事務局が採択事例、事業計画の概要を公表しておりますので、こちらもご参照ください。
https://jigyou-saikouchiku.jp/result.php
ちなみに計算してみると「製造業」は応募件数5,157件でうち採択件数は2,541件と採択率49.2%と推定できます。
事務局が活用イメージ集を出しておりますが、製造業と飲食業、宿泊業の事例が多いのもそのスタンスの現れであると後付けながら思いました。
↓事務局公表 活用イメージ集
https://jigyou-saikouchiku.jp/cases.php
事業再構築補助金は新規事業を考えている事業者様は活用を検討すべき補助金であることには変わりありませんが、「製造業」とコロナ禍で売上が減少している「飲食サービス業」(特別枠での申請が基本)の事業者様は特に利用を検討すべきではないでしょうか。
最後になりましたが、第1次公募結果を見るときに注意すべき点を1つだけ。
すべて採択率等のデータは金額ベースではなく、件数ベースとなっております。従って業種別の分析についても金額ベースで分析すると結果が異なってくるでしょう。ただし製造業は設備投資金額が大きくなりがちであることを考えると、製造業優位は変わらないものと思います。
またマスコミ報道では、第1次公募での採択金額は2200億円程度とのことです。
事業再構築補助金全体の予算は1兆1485億円で、令和2年度に第5次公募まで予定されているということなので、均等に5回に分けて予算を配分していくというスタンスであると思われます。従って応募件数、申請金額によって採択率は変動すると思われます。今回の採択率30%はあくまで参考値として考えましょう。
長くなってしまいましたが、最後までお目通しいただき、ありがとうございました。