2024年08月20日
「大規模成長投資補助金」 1次公募の結果が発表されました!
中堅・中小企業が行う大規模な投資に対する補助金である「大規模成長投資補助金」の1次公募の採択結果が発表されました。
内容について詳しく見ていきましょう。
■大規模成長投資補助金とは
大規模成長投資補助金は、持続的な賃上げを実現することを目的として、大規模な設備投資を行う中堅・中小企業に対し、最大50億円の補助を行う大型の補助金です。具体的には、工場や倉庫、販売拠点などの新設や増築、最先端の機械や省力化できる設備の購入、情報システムの構築などが対象となります。投資額は10億円以上からが対象となり、1/3の補助率となっているため、例えば新事業に12億円を投資した場合は、補助金額は4億円となります。
2次公募は6月26日(水)~8月9日(金)の期間で公募が終了しました。
■1次公募の採択結果について
1次公募では736件の申請があり、書類審査で254件が通過しました(通過率34.5%)。書類審査に通過した計画は、代表者によるプレゼンテーション審査に進むことができ、審査の結果254件のうち109件が最終的に採択されました(最終的な採択率は14.8%)。総額で1,780億円の補助金が支給される予定です。1社当たりの平均補助金額は16.3億円となっています。1社当たりの平均設備投資額は54億円となっており、大型の設備投資案件が採択されています。
図は1次公募採択者の中央値と申請者全体の中央値の主要指標の比較を表しています。
➀ 売上高の成長率について
1年目から5年目までの4年間で全社売上がどの程度伸びるかという指標です。採択者では売上高は118.5億円から173.5億円に55億円増加する計画となっています。申請者全体では62.7億円から82.2億円と19.5億円の増加にとどまっています。この数値から、もともとの売り上げ規模が大きい事業者で、かつ、伸び率も大きい事業者が採択されているということが分かります。
➁ 賃上げ率について
3年間の給与増加率をみる指標です。採択者の中央値は13.5%となっています。例えば500万円の給与を受け取っている従業員だと、3年後には約568万円の給与となる計画です。賃上げについては、未達成の場合、達成率に応じて補助金の返還を要請されるので計画の設定には十分な検討が必要です。
➂ 付加価値額について
交付された補助金に対して、付加価値額が3年間でどの程度の割合になるのかという指標です。付加価値額とは「営業利益+給与支給総額(従業員+役員)+減価償却費」で算出されます。採択者の中央値は126%、申請者の中央値は61%で大きな差が出ています。採択者の付加価値額増加率の中央値が100%を超えているという所はポイントでしょう。3年間で受け取った補助金以上に営業利益と人件費を増加させる計画の採択率が高くなっているという印象です。
申請をご検討の方は、投資計画が採択者の中央値並みの数値となるかどうかという点について検証いただくと良いかと存じます。