コラム Column

2017年02月22日

外部環境が変化したら対策見直しのチャンスです

皆様こんにちは。

 

生産性向上設備投資促進税制が平成平成29年3月末で終了となります。3月末までに完成・引渡し予定の建物等がありましたら、税制の活用をお勧め致します。

 

さて、税制改正の中で非上場企業株式の評価の見直しに関しての二つの改正が織り込まれていました。

 

非上場企業の株式は、純資産価額方式で算出された株価と類似業種比準方式で算出された株価を用いて一株当たりの株価計算を行います。両者を用いる割合は、その会社の会社規模によって異なります。

 

純資産価額とは、貸借対照表を相続税法上の時価に引き直した上での純資産価額となります。

 

一方で、類似業種比準方式とは、同業種の上場企業の株価を参考として、1株当たりの配当金額、利益金額、純資産価額の3つの要素を比較して株価を算出する方式です。

 

1.会社規模の判定の見直し

 

二つの方式で株価計算を行う方法は変更ないのですが、大前提となる会社規模の判定を見直すことが予定されています。平成29年1月1日以後の相続・贈与からは新しい会社規模に応じた株価計算を行うことになりますので、注意が必要です。

 

2.類似業種比準方式の見直し

 

二つの方式の一つである類似業種比準方式についても見直しが行われます。従来の方法では、配当・利益・純資産の要素のうち、利益部分が60%を占めていました。そのため、利益部分が株価に与える影響が大変大きかったのです。

 

一方で今後の方法では、利益部分は他の二つの要素と均等に扱われることになり、占める割合が約33%となります。以前と比較するとインパクトが小さくなっています。

 

一般的な株価対策として、退職金を支給して株価を圧縮するという方法をお聞きになられたことがあるかもしれません。これは、退職金を支給することで類似業種比準方式の利益部分に大きな影響を与えることとなるため、結果的に株価が圧縮されるというものです。今後は株価が下がるものの以前のように下がらなくなる可能性もありますので注意が必要です。

 

正式な改正はこれからですが、平成29年1月1日以後の相続・贈与からの適用は決定されているため、今後の動向を待つ必要があります。

 

このように外部環境が変化した場合には、以前から実行していた事業承継対策も再検討していく必要があります。一度、専門家にご相談することをお勧め致します。

 

 

 

 

 

 

最後までご覧いただきまして誠にありがとうございました。

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