2015年07月09日
株式譲渡損益通算のチャンス到来!?
おはようございます(^O^)/本日の日経新聞に「英、法人税18%に下げ」という記事が掲載されています。
記事によれば、英国の法人税は現在でも20%と主要先進国では最低水準にありますが、これを2017年に19%、2020年には18%と段階的に引き下げる方針を打ち出したそうです。
一方で、課税逃れに対する徴税を強化するとのことです。
租税回避地などを経由した多国籍企業への課税を強化するほか、非居住者に対する優遇税制なども見直すそうです。
日本の法人税率は、下がりましたが、世界の先進国の取り組みから見ると、その下げのスピードが遅いように感じます。
とりあえずの目標値である実効税率20%台を実現できたとしても、その実効税率が29%程度であれば、イギリスとはまだ10%以上の差が開くことになります。
日本の法人税率の下げ幅がより大きくなることと、その早期実現を期待して、利益の繰り延べに取り組んでいきたいものですね。
さて、株が下がってますね。
中国発世界同時株安という状況です。
為替も少し円高方向です。
ギリシャ問題も気になります。
今日の取引はまだ途中ですが、昨日から今日これまでで、日経平均は1,000円以上下がりました。
そろそろ止まるか、もう少し下がるか…。
直近で株式や投資信託の購入をした方の中には、含み損を抱える状態になった方もいるでしょう。
もう少し下がるようであれば、さらにその含み損が膨らむこともあるでしょう。
オーナー経営者が上場株式や投資信託(以下、「上場株式等」といいます)で含み損を抱えた場合には、その上場株式等を売却し、敢えてその損失を実現させてしまうことがあります。
自社株式の売却益と損益通算するためです。
上場株式等と非上場株式の売買損益は、通算をすることができます。
自社株式を後継者に譲るとき、売買で譲ると売却益が生じます。
その売却益を上場株式等の売却損と通算することにより、譲渡所得税を節税することができます。
この有価証券の売却損益の通算は、平成28年1月1日から制度が変わります。
平成28年1月1日以降は、上場株式等と非上場株式の譲渡損益は通算できなくなります。
上場株式等と非上場株式の損益通算ができるのは、残り半年間だけです。
非上場株式の売却益がすでに実現している方や、これから売却益の発生を予定している方で、上場株式等の含み損を抱えている方は、これから半年間の間にその上場株式等の売却を行い、売却損を実現することをお勧めします。
継続保有しておきたい上場株式等であっても、売却し含み損を実現することをお勧めします。
この場合、クロス取引的な売買を行うことが考えられます。
売って、すぐに同額(同量)を買い戻す取引です。
法人では、このクロス取引的な売買で生じた損失は、損失計上が認められませんが、個人ではクロス取引的な売買で生じた損失であってもその損失計上が認められます。
クロス取引的な売買では、同銘柄をすぐに買い戻すことになりますので、実質的には継続保有しつつ、損失だけを実現して損益通算に利用するということが可能です。
本当のクロス取引は、市場外で行い、売り買いの取引価格を同一にし、取引実行後の数量を変えないようにします。
本当のクロス取引もよいのですが、通常の売買に比べて、手数料が割高です。
個人で取引する場合は、市場で売却し、できるだけ時間を空けずに市場で買い戻す取引のほうが現実的でしょう。
株式の場合は、売却価格と買い付け価格が同一にならないことが一般的です。おなじ数量を買い付けようとすると、取引資金の増減が生じます。
投資信託の場合は、売却前の口数より買い付け後の口数が減少することが想定されます。
世界同時株安をきっかけに自社株式の移動を検討してみましょう!
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