2012年08月23日
【法人 節税】決算期変更で節税?
こんにちは(^O^)/昨日の日経新聞に、「スマート経済② 知を結び価値を知る」という記事が掲載されていました。
IT技術とサービスが進化し、物理的な場所や時間、性別を超えて働く力を高めていける可能性があるという内容でした。
記事によると、2010年までの日本の1人当たりの国内総生産は、6.7%増えたそうです。
日本では、1997年を境に、生産年齢人口は減少しています。このなかで生産性を高めることができたのは、IT技術の発達があったからでしょう。
僕が社会人になったのは今から14年前のことですが、そのころの働き方を考えると、恐ろしいほどに時間がゆっくり流れていたことに気がつきます。
記事を読んで、僕たちのような仕事はもっといろいろな働き方ができて、もっと生産性を高めていける可能性があるのだろうと思いました。
柔軟にアイデアを出していきたいものです。
さて、本日8月23日の日経新聞に、「キーエンス40億円節税」という記事が掲載されていました。
キーエンスというと、センサや測定器などを作っている会社で、超優良企業としても有名です。
その会社が40億円もの節税を実行したとのこと。
何をしたのでしょうか。
節税手法は極めて簡単で、「決算期変更」です。
平成24年税制改正により、平成24年4月1日以降に開始する事業年度より、法人税率が5%引き下がることになりました。実際には、これに復興増税が10%加算されるため、地方税も含めた法人っ実行税率で考えると、約40%の税率が約38%に引き下がることになります。
キーエンスは、3月20日を決算日としていたため、新税率が適用されるのは、平成25年3月21日から始まる決算期からでした。
キーエンスは、新税率のメリットをできるだけ早い時期から享受するため、決算期変更を行いました。
キーエンスは、平成24年度を3月21日から6月20日までの3ヶ月と、6月21日から翌年3月20日までの9ヶ月に分けて、6月21日から始まる9ヶ月決算から新税率が適用されるようにしました。
決算期変更自体は、以前から知られている決算対策の一つです。
イレギュラーに大きな売上・利益が計上されることが予測される場合、その売上・利益が発生する直前に決算期変更で決算を迎えてしまい、大きな利益をどのように節税するかは1年かけて考えるという手法です。
今回は、税率改正があったため、キーエンスの用に決算期変更すると早期に新税率が適用になり、節税になります。
しかし実際には、新税率適用のために決算期変更を行う会社は僅かと思われます。
上場企業であれば、定款変更が必要なので、株主総会決議などの面倒が多いことが障害になると思われます。
非上場の中小零細企業であれば、実質2%くらいの節税にしかならないため(実際には2%という率は大きいのですが…)、節税できる金額でみるとインパクトが弱いため、実行に至らないということがよくあります。
そんななか、キーエンスの決算期変更の実行には驚かされますし、その手法が見事と驚かされます。
通常、決算期変更は、例えば3月決算法人が6月に決算期変更を行うと、その後は、6月決算のまま進んでいくことが多いのですが、キーエンスは、当初の3月20日決算を以後も維持します。
これは、定款変更案を見ると、その理由が分かります。
実務に携わる方には、ご参考になると思いますので、以下に貼り付けます。
ということで、今日はここまで。
キーエンス現行定款
(事業年度)
第36条 当会社の事業年度は、毎年3月21日から翌年3月20日までの1年とする。
キーエンス定款変更案
(事業年度)
第36条 (現行どおり)
ただし、平成24年3月21日から始まる第41 期事業年度は、平成24年6月20日までの3ヶ月間し、平成24年6月21日から始まる第42期事業年度は、平成25年3月20日までの9ヶ月間とする。
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